利尻礼文サロベツ国立公園

利尻礼文サロベツ国立公園

利尻礼文サロベツ国立公園は、北海道に位置する日本最北の国立公園であり、その広大な地域には、利尻島、礼文島、そして稚内市から豊富町、幌延町へと続く海岸砂丘林とサロベツ原野が含まれています。公園の約7割が原生的な自然状態を保っており、全域で強い風の影響を受けた風衝植生が見られます。特にサロベツ原野はラムサール条約に登録されており、礼文島の桃岩付近の野生植物、利尻島のチシマザクラ自生地、稚内海岸砂丘林、レブンアツモリソウ群生地は北海道の天然記念物に指定されています。

歴史

サロベツ原野は、戦後の開拓期に開発の対象となりましたが、湿原の保護と観光地としての価値が見直され、国立公園指定時に公園区域に編入されました。2005年には上サロベツ自然再生協議会が設立され、自然再生事業が進められています。

1965年（昭和40年）：国定公園に指定
1974年（昭和49年）：国立公園に指定
1989年（平成元年）：幌延ビジターセンターが開設
2003年（平成15年）：第1回点検を実施
2005年（平成17年）：サロベツ原野がラムサール条約に登録
2011年（平成23年）：サロベツ湿原センターが開設
2014年（平成26年）：日本郵便発行の310円普通切手の意匠に採用

自然

利尻島

円錐形の火山島である利尻島は、公園のシンボルである利尻山を中心に、高山植物が豊富です。山頂部にはリシリヒナゲシやボタンキンバイなどの固有種が見られ、高山性植物群落による美しいお花畑が広がります。山麓にはトドマツを中心とした針葉樹林帯があり、オタトマリ沼周辺ではアカエゾマツや湿原植物も観察できます。

礼文島

丘陵性の地形を持つ礼文島は、「花の浮島」とも呼ばれ、レブンキンバイソウやエゾノハクサンイチゲなどのお花畑、レブンアツモリソウといった固有種が数多く生息しています。また、渡り鳥の中継地としても重要な役割を担っています。

砂丘と湖沼

稚内市から幌延町にかけて約40kmにわたり、数列の砂丘が帯状に発達しており、その間には複数の湖沼が点在しています。この地域は、日本国内で唯一ミコアイサの繁殖地として知られ、オジロワシなどの貴重な鳥類も観察できます。

サロベツ原野

サロベツ川流域に広がるサロベツ原野は、低平地における日本最大の高層湿原であり、泥炭地が形成されています。多くの渡り鳥が飛来し、チュウヒやシマアオジなどの繁殖地としても重要です。

景勝地

礼文島
利尻島
サロベツ原野
浜勇知園地
サロベツ原生花園
パンケ沼園地

ビジターセンター

幌延ビジターセンター
サロベツ湿原センター

脚注

公園管理計画書” (PDF'>参照資料. 北海道地方環境事務所 (2007年). 2016年8月22日閲覧。)に詳しい情報が記載されています。

関連項目

日本の高山植物相
日本の観光地一覧
北海道の観光地

外部リンク

ウィキトラベル：利尻礼文サロベツ国立公園
環境省_利尻礼文サロベツ国立公園
サロベツ湿原センター
幌延ビジターセンター

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