北参道駅

北参道駅

北参道駅は、東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目に所在する東京地下鉄（東京メトロ）副都心線の駅です。駅番号として「F 14」が付与されています。

成り立ちと名称

この駅の設置計画は、副都心線の前身にあたる地下鉄13号線の構想が立てられた当初には存在しませんでした。明治通りや千駄ヶ谷地区に駅を設ける予定はなかったのですが、渋谷区をはじめとする地元からの強い要望が高まったことを受け、1999年（平成11年）5月に駅の設置が正式に許可され、実現に至りました。

駅名の候補としては「新千駄ヶ谷」という仮称も検討されていましたが、最終的には駅の近くに位置する明治神宮の「北参道」や、駅が位置する明治通りの交差点名である「北参道交差点」にちなんで、「北参道駅」という名称が採用されました。

興味深いことに、北参道交差点の地下には、2000年に開業した都営地下鉄大江戸線が通っています。しかし、大江戸線の代々木駅との距離が近いため、北参道駅との乗り換え駅としては整備されませんでした。これは、大江戸線の計画段階からこの場所に新たな駅を設置する予定がなかったことにも起因します。

かつて、明治通りから明治神宮の北参道にある鳥居へと続く道は、表参道に対して「裏参道」とも呼ばれていました。また、北参道交差点自体も、1950年代頃まではロータリー交差点の形状をしており、中央には大きなケヤキの木があって独特の景観を創り出していました。しかし、首都高速道路4号新宿線の建設や交通量の増大といった変化に対応するため、現在の交差点の形に改められています。

歴史

北参道駅は、2008年（平成20年）6月14日に東京メトロ副都心線が開通したのと同時に営業を開始しました。

駅構造

駅は地下に設置されており、一つの島式ホームの両側に線路が配置された1面2線の構造を持っています。利用者の安全を確保するため、ホームには可動式のホーム柵と、列車の床とホームの間に生じる隙間を埋める可動ステップが備えられています。

駅施設は、明治通りの直下、具体的には千駄ヶ谷三丁目西交差点の近くに位置しています。地表からホームまでの深さは約16メートルと比較的に浅く、これは副都心線として新たに開業した区間の中では浅い部類に入ります。

発車メロディ

北参道駅では、開業当初から株式会社スイッチ制作によるオリジナルの発車メロディ（発車サイン音）が使用されています。1番線では谷本貴義氏作曲の「ぐるぐる」が、2番線では福嶋尚哉氏作曲の「プラット散歩2」が流れます。

利用状況

北参道駅の一日平均乗降人員は、2023年度のデータによると22,635人でした。これは東京メトロ全130駅の中で120番目に位置しており、都心部の駅としては比較的落ち着いた利用状況を示しています。

駅周辺

駅の周辺地域は、緑豊かな環境と都市的な機能が融合したエリアです。駅の西方には広大な敷地を持つ明治神宮があり、自然と歴史を感じさせます。また、少し北東に離れた場所には新宿御苑、東方には明治神宮外苑が位置しており、それぞれ四季折々の景観やスポーツ施設などを楽しむことができます。

駅周辺には、アパレルメーカーなどの企業の事業所やオフィスビル、マンションなどが比較的多く立地しており、ビジネス街としての側面と住宅地としての側面を併せ持っています。

北参道駅自体は他の鉄道路線との公式な乗り換え駅とは指定されていませんが、JR東日本の代々木駅までは、駅の1番出入口から徒歩5分程度の距離にあり、乗り換えることが可能です。また、JRの千駄ケ谷駅へも徒歩でおよそ10分程度の距離にあります。駅の3番出入口はコープ共済プラザ内に直結しており、日本コープ共済生活協同組合連合会の施設へのアクセスが便利です。

バス路線

駅の近くにはバス停留所も複数あります。都営バスの「北参道」停留所からは、池86系統（渋谷駅東口循環、池袋駅東口行、池袋サンシャインシティ行、早稲田行）が利用できます。また、渋谷区が運行を委託しているコミュニティバス「ハチ公バス」の「北参道交差点」停留所もあり、神宮の杜ルートとして参宮橋駅・代々木駅方面や、明治神宮前駅・渋谷駅方面へのアクセスが可能です。

停車パターン

東京メトロ副都心線においては、急行列車および通勤急行列車は北参道駅を通過します。各駅停車のみが停車し、隣接する駅は新宿三丁目駅（F13）と明治神宮前〈原宿〉駅（F15）です。

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