千駄ケ谷駅

千駄ケ谷駅について

千駄ケ谷駅は、東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）中央本線の駅です。駅番号はJB12で、渋谷区内の鉄道駅としては最も東側に位置しています。この駅には、中央・総武線各駅停車のみが停車します。また、特定都区市内制度における「東京都区内」および「東京山手線内」に属しています。

駅名は「千駄ケ谷」と表記されますが、地名は「千駄ヶ谷」と、漢字の「ヶ」とカタカナの「が」の使い分けが特徴的です。

歴史

千駄ケ谷駅は、甲武鉄道が飯田町 - 中野間を電化した際に、旅客駅として新たに開業しました。開業当初の乗降客は1日あたり約250人と少なかったものの、その後、米軍の空襲で駅舎が被災するなど、さまざまな歴史を歩んできました。駅に隣接する首都高速4号新宿線の高架道路の完成や駅舎の改築を経て、現在の形に至っています。

年表

1904年（明治37年）8月21日：甲武鉄道の駅として開業（当初は旅客営業のみ）。
1906年（明治39年）10月1日：甲武鉄道が国有化され、逓信省の駅となる。
1909年（明治42年）10月12日：線路名称制定により中央東線（1911年から中央本線）に所属。
1914年（大正3年）12月20日：荷物の取り扱いを開始。
1924年（大正13年）：2代目駅舎が完成。
1945年（昭和20年）5月18日：東京大空襲により駅舎が全焼。同年12月：木造バラック駅舎を建築。
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道が発足。同年7月15日：荷物扱いを廃止。
1956年（昭和31年）4月2日：駅舎を改築（PCブロック構造）。モデル駅に指定。
1958年（昭和33年）1月：アジア競技大会開催に伴い駅舎を改築。
1964年（昭和39年）9月：東京オリンピックにあわせて改築。臨時ホームを新設。
1976年（昭和51年）7月：みどりの窓口を営業開始。
1980年（昭和55年）12月：ホームに将棋の駒のオブジェを設置（日本将棋連盟より寄贈）。
1986年（昭和61年）10月23日：国立霞ヶ丘競技場陸上競技場からの観客が当駅の改札に殺到し、群衆事故が発生（46人負傷）。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅となる。
1990年（平成2年）6月2日：自動改札機を導入。
1998年（平成10年）3月：エスカレーターの使用を開始。
2001年（平成13年）1[[1月18日]]：ICカード「Suica」の利用が可能となる。
2007年（平成19年）3月9日：みどりの窓口の営業を終了。
2009年（平成21年）4月：駅構内が全面禁煙になる。
2012年（平成24年）9月：エレベーターの使用を開始。
2016年（平成28年）9月18日：2020年東京オリンピックに向けた駅舎改修工事のため、仮駅舎の使用を開始。
2019年（平成31年・令和元年）2月1日：駅遠隔操作システム（現・お客さまサポートコールシステム）を導入し、早朝時間帯が無人化。同年10月27日：新駅舎の供用を開始。
2020年（令和2年）3月22日：新宿方面行のりば（旧1番線）を新ホームへ移設。同年6月13日：ホームドアの使用を開始。

新宿御苑仮停車場

1927年（昭和2年）2月7日から2日間にわたり、大正天皇の大喪の礼が行われた際、当駅の近くに新宿御苑仮停車場が開設されました。当時、複々線化のための新設工事中だった列車線（現在の上り急行線）の新宿御苑側に、専用ホームと駅舎が設置され、霊柩列車を東浅川駅へ奉送運行する際に使用されました。同年2月9日に廃止となり、駅舎は浅川駅へ移設されました。

駅の構造

千駄ケ谷駅は、単式ホーム2面2線を有する地上駅です。駅のすぐ北側にある新宿御苑への配慮から、発車メロディは導入されておらず、代わりに発車ベルが使用されています。かつてはみどりの窓口がありましたが、2007年に営業を終了し、現在は指定席券売機が設置されています。2019年2月1日からは駅遠隔操作システムが導入され、早朝時間帯は遠隔対応となるため、改札係員は不在で、一部の自動券売機のみが稼働しています。インターホン対応は四ツ谷駅が行います。

1964年の東京オリンピック開催時には、旧1番線の反対側に臨時ホームが設置され、観客の混雑緩和に貢献しました。この臨時ホームは、1989年に大葬の礼で使用された後、長らく閉鎖されていましたが、2020年の東京オリンピック開催に向けて再整備され、西行専用ホームとして使用されることになりました。改修工事では、エスカレーターやエレベーター、ホームドアの設置、改札口の移設が行われました。さらに、ホームドア設置のため、ホームの横幅を従来の5mから最大9mに拡張する工事も行われました。

のりば

（出典：JR東日本:駅構内図）

2020年3月14日のダイヤ改正以降、早朝・深夜に設定されていた東京駅発着の各駅停車は廃止されました。

利用状況

2023年度の1日平均乗車人員は16,567人です。中央・総武線（千葉駅 - 三鷹駅間）では、幕張駅に次いで乗車人員が少ない駅となっています。

1990年度以降の1日平均乗車人員の推移は以下の通りです。

駅周辺

千駄ケ谷駅の周辺には、新宿御苑や東京体育館といった施設があります。また、駅前にはバス停留所があり、都営バスやハチ公バスが乗り入れています。

バス路線

最寄りのバス停留所は、千駄ケ谷駅前（国立競技場駅前）停留所です。

都営バス
早81系統：渋谷駅東口（循環）/ 早大正門行
黒77系統：目黒駅前行
千駄ケ谷駅（東京体育館）停留所
ハチ公バス（東急バス）
神宮の杜ルート：代々木駅方面 / 渋谷駅ハチ公口方面

その他

かつて2番線ホーム中央にあった水飲み場には、日本将棋連盟本部所在地にちなみ、将棋の王将の駒を模したモニュメント（書は大山康晴によるもの）が設置されていました。このモニュメントは、駅の改良工事に伴い一時的に撤去されましたが、2020年8月21日から駅コンコースに設けられた将棋コーナーに移設され、羽生善治による揮毫の駅名の書とともに展示されています。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）
中央・総武線（各駅停車）
信濃町駅 (JB 13) - 千駄ケ谷駅 (JB 12) - 代々木駅 (JB 11)

脚注

記事本文

出典

報道発表資料
新聞記事

利用状況

JR東日本の2000年度以降の乗車人員
東京都統計年鑑

参考文献

曽根悟（監修）（著）、朝日新聞出版分冊百科編集部（編集）（編）「中央本線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第5号、朝日新聞出版、2009年8月9日。

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧
千駄ヶ谷

外部リンク

駅の情報（千駄ケ谷駅）：JR東日本
青山軍用停車場図『甲武鉄道市街線紀要』（国立国会図書館近代デジタルライブラリー）

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