南下徳富駅

南下徳富駅（みなみしもとっぷえき）の概要

南下徳富駅は、かつて北海道樺戸郡新十津川町に存在した、北海道旅客鉄道（JR北海道）札沼線（学園都市線）の駅でした。この駅は、その歴史の中で地域の足として重要な役割を果たしましたが、2020年に廃止されました。駅の事務管理コードは▲130219でした。

歴史

南下徳富駅の歴史は、1956年（昭和31年）11月16日に、日本国有鉄道（国鉄）札沼線の駅として開業したことから始まります。開業当初から旅客のみを取り扱う駅として機能していました。その後、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR北海道に継承されました。

1991年（平成3年）3月16日には、札沼線に「学園都市線」という愛称が設定されました。1996年（平成8年）3月16日には、石狩当別駅（現・当別駅）から新十津川駅の間でワンマン運転が開始され、当駅もその区間に含まれました。

2012年（平成24年）には、長年利用されてきた木造の駅舎が撤去されました。2016年（平成28年）3月26日には、浦臼駅 - 新十津川駅間の運行が1日1往復のみとなり、列車の発着が1日上下各1本という非常に限られたものになりました。同年11月18日には、北海道医療大学駅 - 新十津川駅間が「当社単独では維持することが困難な線区」とされ、廃止への動きが加速しました。

2018年（平成30年）12月20日には、沿線4町と北海道が、北海道医療大学駅 - 新十津川駅間の廃止とバス転換で合意しました。そして2020年（令和2年）4月17日、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）に関する緊急事態宣言により、4月18日から5月6日まで全列車運休となり、実質的な最終営業日となりました。同年5月7日、北海道医療大学駅 - 新十津川駅間の廃止と共に、南下徳富駅もその歴史に幕を閉じました。

駅名の由来は、下徳富駅の南に位置することによります。

駅構造

南下徳富駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。石狩当別駅が管理する無人駅で、かつては木造の駅舎が存在しましたが、廃止時には撤去され、待合室なども設置されていませんでした。駅の北側には南十六号線の踏切が隣接していました。2020年5月7日の廃止時には、ホームに設置されていた駅名標が撤去されました。

利用状況

2011年から2015年（平成23年から27年）にかけての乗降人員調査では、11月の調査日において「1名以下」という結果でした。また、2012年から2019年にかけての特定の平日の乗車人員平均は0.2人という非常に低い値でした。これらのデータから、駅の利用者が極めて少なかったことがわかります。

駅周辺

駅周辺は、広大な田園風景が広がっており、田畑と数軒の農家が点在するのみでした。国道275号が近くを通っていますが、駅周辺には商業施設などはほとんどありませんでした。

廃止後の予定

2020年（令和2年）5月の廃駅後、駅跡地と線路跡地は新十津川町に無償譲渡されました。町は、2020年度から3年間をかけて駅を解体する予定です。さらに、札沼線の線路によって分断されている水田地帯の解消と、基幹産業である稲作の振興のため、駅周辺を含む線路跡地を水田に戻す計画を立てています。

隣の駅

札沼線（学園都市線）では、於札内駅と下徳富駅の間に位置していました。

まとめ

南下徳富駅は、地域の歴史と共に歩んだ駅でありましたが、時代の流れと共にその役目を終えました。この駅の歴史は、過疎化が進む地域の公共交通のあり方を考える上で、重要な教訓を与えてくれます。駅跡地は、今後、地域の人々の生活を支える新たな形に生まれ変わる予定です。

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