南幌延駅

南幌延駅：宗谷本線沿線の小さな駅舎が織りなす物語

北海道天塩郡幌延町、宗谷本線の静かな車窓から現れる南幌延駅。この駅は、単式ホーム1面1線を有する小さな地上駅です。稚内方面に向かって左手にホームが広がり、分岐器を持たないシンプルな棒線駅となっています。

開業から現在まで：存続への道のり

南幌延駅は1959年11月1日、国鉄宗谷本線の安牛駅と上幌延駅間に開業しました。開業当初から無人駅で、旅客のみの取り扱いでした。国鉄分割民営化後もJR北海道の駅として営業を継続してきましたが、近年は存続の危機に直面しています。

2016年、JR北海道は南幌延駅を含む3駅を廃止する方針を示しました。これに対し、幌延町は強い反対を表明し、駅維持のため、1年間の存続を決定。町の費用負担により、駅は存続することとなりました。

その後も、存続に向けた取り組みは続いています。2019年には開業60周年を記念して、幌延町が待合所の外壁を塗り直し、町のイメージキャラクターも描かれました。2020年には、ふるさと納税などを活用した町による維持管理への移行が発表され、2021年4月から町が駅を管理することになりました。しかし、2024年には駅舎補修費の必要性から、2025年度の維持管理費支出は見送られることとなり、今後の存続も課題となっています。

駅舎と周辺環境：静かな風景と温かい人情

ホームの横、踏切手前には待合所があります。長らく駅名表示がなかった待合所ですが、地元住民の手によって看板が設置され、改修後には町のイメージキャラクター「ミナミほろりんさん」が描かれるなど、地域住民の温かい気持ちが感じられます。

駅舎内には、木製ベンチや除雪道具などが置かれています。ホームは木製デッキ式で、稚内方にスロープがあり、駅周辺へアクセスしやすい構造になっています。

駅周辺は牧場が広がり、夏季には牛が草を食むのどかな風景が広がります。南上幌延集会所や北海道道256号豊富遠別線も駅周辺にあります。天塩川も近くを流れ、自然豊かな環境に囲まれた駅です。

利用状況：地域住民の生活を支える存在

南幌延駅の利用者は、旅行者や、冬期の通院・買い物に利用する地元住民などが中心です。正確な乗車人員データは限られていますが、地域住民の生活にとって重要な役割を果たしていることは間違いありません。

駅名の由来：幌延駅の南方

南幌延駅の駅名は、幌延駅の南方にあることに由来しています。1959年の北海道告示には、この地が「南上幌」と呼ばれていたという記述も見られます。

これからも続く物語

南幌延駅は、宗谷本線の歴史と、地域住民の生活を繋ぐ小さな駅です。存続の課題は残りますが、地域住民の温かい思いと、静かな自然に囲まれたこの駅がこれからも存在し続けることを願っています。今後の動向が注目されます。

隣の駅

雄信内駅
安牛駅(廃駅)
上幌延駅(廃駅)
幌延駅

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