口腔乾燥症

口腔乾燥症（こうくうかんそうしょう）

口腔乾燥症、またはドライマウスとは、様々な要因によって唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥する状態を指します。日本では、約800万人がこの症状に悩まされているとされ、多くの人々が自覚症状を訴えています。Diagnostically, this condition can be broadly categorized under the umbrella of dry mouth symptoms, taking into consideration that some individuals may experience varying degrees of dry mouth due to different underlying conditions.

原因

口腔乾燥症の原因は多岐にわたります。主な要因には、加齢、ストレス、唾液腺の障害、偏った食生活、喫煙、薬物の副作用、全身の疾患などがあります。特にシェーグレン症候群などの全身疾患が直接的な原因として見られることが多いです。加齢に関しては、その関連性について明確な見解が確立されていないケースもあります。また、唾液の蒸発や心身的なストレスも影響を与えることがありますが、これらは歯科的心身症と関連して考えられることが多いです。

関連する病気

この症状は他の疾患とも関連が深く、例えばシェーグレン症候群やセリアック病、糖尿病などが挙げられます。これらの病気は、口腔乾燥症の症状を引き起こす要因となります。

薬剤

薬剤が口腔乾燥症の原因として最も一般的で、多くの処方薬が唾液腺の分泌を妨げ、結果的に口腔内の乾燥を引き起こすことが考えられています。実際、処方される約80%もの薬剤が口腔乾燥を引き起こす可能性があります。通常は薬の服用を中止すれば改善する場合が多いですが、まれに回復しないこともあります。

放射線

また、頭頸部のがんに対する放射線治療が原因で唾液腺が損傷を受け、口腔乾燥症が生じることもあります。このような場合、25Gyを超える放射線が当たると、唾液腺の機能低下が永久的に残ることがあるため、治療方針には注意が必要です。

症状

口腔乾燥症の主な症状は、何よりも唾液の分泌が減少することです。軽度の場合には口腔内のネバネバ感や不快感、虫歯、舌苔、悪臭、歯周病などの症状が現れます。重度の場合は、舌痛症、嚥下障害、話しづらさ、口内炎、口角炎、重度の口臭や虫歯、歯周病、舌乳頭の萎縮、口腔カンジダ症などが見られます。さらに、義歯による褥瘡性潰瘍や装着困難、味覚障害なども影響することがあります。

治療

治療方法としては、含嗽剤、トローチ、口腔用の軟膏、人工唾液、内服薬などがあります。含嗽剤としては、アズレンやイソジンガーグルがよく用いられ、歯質の脱灰の回復に寄与するミネラル供給液としてカルシウム塩と燐酸塩が混合されたものもあります。口腔用の軟膏には副腎皮質ホルモンや抗生剤が含まれており、長期使用が菌の過剰繁殖や口腔カンジダを引き起こす可能性があります。

人工唾液としてよく知られるサリベートは、作用時間が短いことや睡眠中には使用できないなどの欠点があります。内服薬では、気道潤滑去痰薬として用いられるムコソルバン、ビソルボンの他、シェーグレン症候群の治療に使われるムスカリン受容体刺激薬のセビメリンやピロカルピンなどがあります。これらの患者には、過去には唾液腺ホルモン剤としてパロチンが使われることもありました。

漢方薬としては、口渇や空咳に対応する麦門冬湯や白虎加人参湯などがあります。また、唾液腺のマッサージや周辺の筋肉をほぐすこと以外にも、シュガーレスの飴やガムの摂取も効果的とされています。睡眠中にはモイスチャー・プレートが使用され、口の渇きによる睡眠障害を緩和することができる事例も報告されています。

出典

• - Michael Edgar、Colin Dawes、Denis O'Mullance『唾液　歯と口腔の健康』
• - 西澤芳男ほか「原発性シェーグレン症候群唾液分泌能改善効果に対する前向き、多施設無作為2重盲検試験」
• - 山本健ほか「ドライマウスにおける加齢の関与」

関連項目

• - 口呼吸
• - ドライアイ
• - 唾液分泌検査

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