呂蒙

呂蒙（りょ もう）: 後漢末期の武将

呂蒙は後漢末期の武将であり、孫策とその弟孫権に仕えた人物です。彼の字は子明（しめい）で、現在の安徽省阜陽市阜南県にあたる豫州汝南郡富陂県の出身です。その生涯は、数々の戦での功績と、教養を身につけることで知られています。

生涯 - 部将としての出発

呂蒙は将軍としての経歴を始める前に、姉の夫である鄧当の軍にちょっかいをかけて戦いに参加しました。15歳の頃、賊の討伐に出ていた鄧当の軍にひそんで同行したものの、彼の存在が発覚し叱責を受けました。しかし呂蒙は家に帰らず、母親に訴えられた際も、貧しさから脱出するためには名誉を得る必要があると主張し、彼女の理解を得ました。このエピソードは、彼の意志が強く、目的意識を持っていたことを物語っています。

また、鄧当の部下の役人に侮辱された際には、この怒りからその者を斬り、その後逃亡しましたが、遂には自首し、孫策のもとに引き取られました。そこで彼の才能が評価され、側近として迎えられました。

軍事的成功

呂蒙は、その後多くの戦に参加し、特に建安11年（206年）の丹陽討伐や黄祖との戦いで名を馳せました。彼は多くの戦略を駆使し、敵を打ち破り続け、後に平北都尉や広徳県令に任命されました。特に黄祖を討った戦いでは、敵の指揮官を自ら打ち取り、その功績で高い評価を得ました。

加えて、呂蒙は建安13年（208年）の赤壁の戦いにおいても周瑜や程普と共に曹操軍を打破するなど、彼の軍事的手腕が光りました。この際、屈辱的な状況下でも臆せず敵に挑む姿勢を見せ、非常に高い評価を受けました。周瑜からの評価も相まって、呂蒙はすぐに軍の要人としての地位を築いていきました。彼は赤壁の戦いを経て、軍団の指揮権を増すこととなります。

学問の励みに対する啓示

呂蒙はかつては無学であったが、主君である孫権の勧めに従って勉強に励むこととなります。孫権は彼に過去の知識を持つことの重要性を説き、呂蒙は『孫子』や『三史』を学び始めました。その後は見事に文武両道の実力を身につけ、周囲の評価も一変しました。呂蒙は『呉下の阿蒙に非ず』とも称され、かつての彼とは異なる人物となったのです。

関羽との闘い

建安24年（219年）、呂蒙は関羽を打ち取るという大いなる功績を上げることになります。この戦いにおいては巧妙な策略を練り、逆に関羽を油断させることができ、最終的に彼を陥落させる結果につながりました。この勝利により、呂蒙は名実ともに呉の重鎮となり、様々な特典を受け取ることになります。彼の卓越した戦術のおかげで、呉は荊州を奪取し、その後の歴史においても大きな影響を与えることとなりました。

彼の死と評価

残念ながら、呂蒙はその栄光の後すぐに病に倒れ、享年42歳という若さで亡くなりました。彼の死に際しては、孫権が非常に悲しみ、彼を敬い、看病させたことが知られています。呂蒙はその死後、彼の功績が多く語られ、後世まで名将として名を残しました。

まとめ

呂蒙はその力強い精神と軍事的才能により、多くの武将の中でも際立った存在でした。彼は貧困から這い上がり、無学から教養を身につけ、数々の戦で功績を挙げて名将としての地位を築いたことが特に評価されています。彼の姿勢は、他の多くの将軍たちに影響を与えました。今なお彼の物語は語り継がれ、歴史の中で特筆されるべき人物の一人として君臨しています。

もう一度検索