善峯寺

善峯寺(よしみねでら)の概要

善峯寺は、京都市西京区にある、善峰観音宗の主な寺院です。山号は西山であり、境内からは見事な京都市街の眺めや比叡山の景観を楽しむことができます。また、春の桜や秋の紅葉が非常に美しいため、多くの観光客や参拝者が訪れる名所です。ここには本尊として、十一面千手観世音菩薩が祀られており、その真言は「おん ばざら たらま きりく そわか」とされ、信仰の中心となっています。さらに、善峯寺のご詠歌には「野をもすぎ山路にむかふ雨の空　よしみねよりも晴るる夕立」という句があります。

歴史

善峯寺の創建は長元2年（1029年）に遡ります。この年に源算という僧侶が自作の千手観音像を本尊として寺を設立したと言われています。その後、長元7年（1034年）には、後一条天皇からの勅願所として「良峯寺」という名称も贈られました。続いて、長久3年（1042年）には、後朱雀天皇の命により、洛東の鷲尾寺から新たな千手観音像が移されたと言われ、寺の重要な本尊として位置付けられました。また、この時期、白河天皇から本堂や薬師堂、鐘楼などの寄進を受け、寺院の基盤が整えられました。

鎌倉時代には慈円が当寺に住職として迎えられ、後鳥羽天皇からの特別な寺額も賜ったことから、「善峯寺」の名前が定まりました。室町時代には、多くの法親王がこの寺に入山し、「西山門跡」として知られるようになりますが、応仁の乱の影響を受けて多くの建物が焼失しました。

その後、江戸時代に入り、徳川綱吉の母である桂昌院が寺の復興に尽力し、観音堂や鐘楼など多くの重要な建物を再建しました。

境内の構成

善峯寺の境内は、釈迦岳の北東の支峰に広がり、多くの堂宇が点在しています。山門をくぐり、石段を上がると本堂が現れます。この本堂の右手には石段を上っていく所に多宝塔や釈迦堂、阿弥陀堂が並びます。特に本堂（観音堂）は元禄5年（1692年）に桂昌院によって建立され、現在も多くの信仰を集めています。

善峯寺では、旅行者や参拝者が休憩できる所や、文化財が保存されている文化展示館も整備されています。また、国指定の天然記念物である「遊龍の松」は、樹齢600年を超える五葉松で、そのユニークな形状から名付けられました。こちらの松は観光スポットとしても有名です。

本尊と文化財

善峯寺には、秘仏本尊としての千手観音立像がふたつ安置されており、秘仏は平安時代後期から鎌倉時代初期にかけての作とされている。この像は特定の日にのみ公開されるため、貴重な存在とされています。

また、本堂内には多宝塔や絹本著色大元帥明王像、さらには「遊龍の松」など多くの文化財が存在し、それぞれが重要な歴史的価値を持っています。観光客はこれらの文化財を観賞し、後世に伝えられる重要な役割を演じています。

アクセス

善峯寺へのアクセスは、JR京都線の向日町駅または阪急京都本線の東向日駅からバスを利用します。バスで終点の善峯寺下車後、徒歩で数分の距離にあります。入山料も設定されており、大人500円、中高生300円、小中学生200円となっています。このように、善峯寺は多くの人々に歴史と信仰の深い場所として親しまれ続けています。

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