大間まぐろ

大間まぐろとは

大間まぐろとは、青森県下北郡大間町沖で漁獲されるマグロのブランド名です。2007年6月1日に大間漁業協同組合によって地域団体商標に登録されており、「大間のマグロ」とも呼ばれ、その名は全国に知れ渡っています。

概要

大間まぐろは、津軽海峡で水揚げされる天然の本マグロ（クロマグロ）です。30キロ以上のマグロには「大間まぐろ」のシールが貼られ、ブランドの証となっています。

かつては地元でほとんど流通していませんでしたが、2000年のNHK連続テレビ小説「私の青空」をきっかけに全国的な知名度を獲得しました。2001年からは、マグロ解体ショーなどのイベントを通じて町おこしが行われるようになりました。

漁法

大間まぐろの漁期は例年8月頃から1月頃までで、秋から冬にかけてが旬とされています。津軽海峡は、黒潮、対馬海流、千島海流の3つの海流が流れ込む豊かな漁場であり、プランクトンが豊富に生息しています。この環境が、身の厚いイカやイワシなどの魚介類を育み、それらを餌とするマグロもまた、良質な身を持つようになります。

大間まぐろは時速40キロで泳ぎ、獲物を捕らえる際には最高時速120〜130キロに達することもあります。漁獲方法は、日中の一本釣りと夜間の延縄漁が主流です。網を使わないことでマグロに傷がつきにくく、鮮度を保ったまま出荷できます。近年では、電気ショッカーで一時的に麻痺させてから水揚げする方法も用いられています。

一本釣りでは、ソナーでマグロの群れを探し、餌をつけた針を投入します。この漁法は、操船技術、餌の選定、投入のタイミング、巻き上げ技術など、高度な技術が求められます。

漁獲時期は地球温暖化などの影響で変化しており、以前は7月から10月頃でしたが、近年は8月から1月頃までとなっています。また、1985年から1993年の間には、大間でマグロが全く獲れない時期もありました。

定義の緩和

大間まぐろは、大間崎から5キロメートル以内の近海で漁獲されます。しかし、漁獲量の減少や漁業環境の変化により、津軽海峡全域や太平洋まで漁場を広げるケースが増えたため、2022年11月に大間漁業協同組合は大間まぐろの定義を緩和しました。現在では、漁場を問わず、大間町内の漁港で水揚げされ、同漁協で荷受けされたマグロは全て「大間まぐろ」として扱われます。

大間まぐろの取引

大間で水揚げされるマグロの平均重量は約100キロです。過去には440キロの巨大マグロが水揚げされ、大間崎にはその実物大モニュメントが設置されています。

豊洲市場の初競りでは、大間まぐろが高値で取引されることで知られています。2013年には230キロのマグロが1億5540万円で、2019年には278キロのマグロが3億3360万円という過去最高額で落札されました。

不正流通問題

2021年、一部漁業者による漁獲量未報告疑惑が発覚し、青森県の調査で複数の漁協の漁師による漁獲量隠蔽が明らかになりました。その後、水産会社の社長らが漁業法違反で逮捕・起訴され、有罪判決を受けています。また、大間漁協の漁業者も略式命令を受けるなど、不正流通問題は大きな波紋を呼びました。

大間以外の青森県のマグロ

青森県内では、大間町以外にもマグロ漁が行われています。深浦町で獲れる深浦マグロや、三厩・龍飛で獲れるマグロもまた、高品質なマグロとして知られています。小泊では延縄漁によるマグロ漁が行われています。

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