太秦駅

太秦駅：映画村への玄関口として発展する山陰本線（嵯峨野線）の駅

太秦駅は、京都市右京区太秦上ノ段町に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陰本線の駅です。愛称である嵯峨野線にも含まれ、駅番号はJR-E07となっています。周辺は住宅地が広がり、観光地である東映太秦映画村へのアクセスも良好なことから、多くの利用客で賑わう駅として知られています。

歴史と変遷：開業から現在まで

太秦駅は1989年3月11日、山陰本線の花園駅と嵯峨駅（現在の嵯峨嵐山駅）間に新設されました。その後、1992年にはみどりの窓口が開設され、1998年には自動改札機が導入されるなど、利便性の向上に努めてきました。2003年にはICOCAが利用可能となり、交通システムの近代化にも対応。2010年には花園駅～嵯峨嵐山駅間の複線化が完了し、交換設備が廃止されました。同年、駅は停留所となりました。

バリアフリー化も進められ、2015年にはエレベーター2基とエレベーター専用跨線橋、LED発車標が設置されました。同年、バリアフリー化完了を記念した式典には、東映太秦映画村ゆかりの俳優・福本清三氏も出席しました。駅ナンバリングは2018年に導入。そして2022年2月、みどりの窓口が営業を終了し、みどりの券売機が新たに設置されました。

駅構造と設備：利用者の利便性を追求

太秦駅は、相対式ホーム2面2線の地上駅です。ホーム有効長は218m。駅舎は北側に位置し、南側を除く3方向に出入口があります。西側の出入口は隣接する立体駐輪場と直結しています。ホーム間の移動には跨線橋を利用し、2015年のバリアフリー化によりエレベーターが設置され、利便性が大幅に向上しました。改札内には男女別、車椅子対応のトイレも完備されています。亀岡駅が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を委託しています。ICOCAなどの交通系ICカードも利用可能です。また、JRの特定都区市内制度における「京都市内」の駅にも指定されています。

配線とプラットホーム：複線化による変化

複線化される前は、一線スルー配線で、通過列車は2番線を通過。京都方面の普通列車と園部方面の一部列車は、1番のりばに停車していました。開業当初から1990年の電化までは、全列車が1番のりばに停車。これは、駅設置反対の意見を考慮した措置と言われています。その後、嵯峨野線のダイヤ改正を経て、現在の1番線・2番線方向別停車となりました。

利用状況と周辺環境：地域に根付く駅

2022年度の1日平均乗車人員は約4044人です。これは、駅規模の割に多い数値であり、映画村への観光客に加え、近隣住民の利用も大きいことを示しています。円町駅開業前は、嵐電・帷子ノ辻駅からの乗換利用も多かったようです。また、早くから駐輪場が設置されていたことから、近隣の大学に通う学生の利用も盛んでした。

駅周辺は住宅地が広がり、東に約500mの距離に広隆寺、東映京都撮影所、東映太秦映画村があります。映画村へのアクセスは、2011年のリニューアル時に新ゲート「撮影所口」が設置され、駅から徒歩5分と大幅に向上しました。嵐電帷子ノ辻駅との乗換利用客も存在し、2016年には嵐電北野線に撮影所前駅が開設されたことにより、乗換方法は変化しつつあります。

その他：時代劇俳優のサインやゲームへの登場

東映京都撮影所の最寄り駅であることから、かつては多くの時代劇俳優のサイン色紙が飾られていたそうです。また、アーケードゲーム『電車でGO!』にも登場しますが、ゲーム内の非電化時代の描写は、太秦駅の開業前であるため、史実とは異なります。JR西日本では、新規開業駅が既存私鉄駅の近傍にある場合、「JR」を冠した駅名とするケースが多いですが、太秦駅は例外です。これは京福電気鉄道嵐山本線の太秦駅（現・太秦[[広隆寺駅]]）が存在したにも関わらず、「JR」を冠さずに開業したためです。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）嵯峨野線（山陰本線）

* 普通：花園駅 - 太秦駅 - 嵯峨嵐山駅

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