女神湖は
長野県北佐久郡立科町に位置する
人造湖で、赤沼温水溜
池とも呼ばれています。
農業用水の確保を目的に
1966年に完成したこの
湖は、美しい自然環境と
レジャー施設で知られ、観光地としても人気を集めています。
八ヶ岳中信高原国定公園に含まれ、周囲には
シラカンバや
カラマツの森林が広がっています。
女神湖は
蓼科山から
北西に約4
キロメートル離れた場所にあり、
標高1,540
メートルに位置しています。
湖の
面積は0.12平方
キロメートル、周囲は約1.5
キロメートルで、
水深は平均4
メートルです。その貯水容量は32万立方
メートルで、周辺の農地1,537.3
ヘクタールに水を供給しています。
湖は、
江戸時代に開削された塩沢堰の改良事業に伴い、赤沼という
湿地を改良して作られました。
1967年には
ビーナスラインが開通し、観光開発が進む中、
女神湖の
湖面利用権が
立科町に譲渡されました。観光資源の開発により
宿泊施設や
レジャー施設が整備され、訪れる人々を楽しませています。特に
夏には、
8月11日の
山の日に白樺高原花火大会が開催され、多くの観光客が訪れます。また、
冬季には
結氷した
湖面で
サーキットが開設され、企業向けの講習会などが行われることもあります。
湖周辺では、
春にはザゼンソウ、初
夏には
レンゲツツジが見頃を迎え、訪れる人々に美しい自然を楽しませています。さらに、
女神湖では
妖精祭が行われ、
地域おこしの一環として盛り上がりを見せています。この
イベントは、地域の文化や伝説に基づいており、その独自性が注目を集めています。
塩沢堰とその歴史
女神湖を支える
農業用水路である塩沢堰は、
江戸時代に開削され、現在では
疏水百選にも選ばれています。元々の塩沢堰は、六川長三郎によって開発され、その後も地域の
農業に重要な役割を果たしてきました。
女神湖の建設は、塩沢堰の余水を貯えるために
1942年から始まりましたが、様々な困難を経て
1966年に完成しました。
この
湖は、地域の
水不足解消にも寄与し、
農業の生産性を大きく向上させました。
伝説と文化
女神湖の周辺には、
河童伝説が伝わっています。かつて赤沼の
池には、河太郎という名の
河童が住んでいたとされ、彼は道行く人々を
池に引きずり込んでいたといいます。しかし、
侍の諏訪頼遠に退治され、その後河太郎は別の
池に移り住むことになったという話です。また、
湖の近くには「鍵引石」と呼ばれる巨石があり、旅人たちはここで安全を祈願していました。この石も、
河童伝説にちなんだものです。
女神湖は自然の美しさと歴史的な背景を持つ場所であり、多くの人々に親しまれています。観光地として訪れる人々にとって、リフレッシュできる空間を提供し、同時に地域の文化や伝説を学ぶ素晴らしい機会を与えています。