宗叡

宗叡（しゅうえい、または、しゅえい）は、平安時代前期に活躍した真言宗の僧侶です。大同4年（809年）に生まれ、元慶8年3月26日（884年4月25日）に没しました。俗姓は小谷氏で、京都の出身です。宗叡の読み方には「しゅうえい」と「しゅえい」の二通りがあります。

宗叡は、入唐八家の一人としても知られています。入唐八家とは、平安時代に唐へ渡り仏教を学んだ8人の僧侶（最澄、空海、常暁、円行、円仁、恵運、円珍、宗叡）を指します。彼らは、日本仏教の発展に大きな影響を与えました。

宗叡の略歴

14歳で比叡山に入り、載鎮に師事して出家しました。その後、興福寺の義演から法相教学、延暦寺の義真から天台教学を学びました。さらに、円珍から金剛界・胎蔵界の両部密教、実慧から真言密教を学び、禅林寺の真紹から灌頂を受けました。このように、宗叡は様々な宗派の教えを深く学び、幅広い知識と理解を身につけました。

862年（貞観4年）には、真如法親王と共に唐へ渡りました。宗叡は、五台山や天台山を巡礼し、また汴州の玄慶、長安の法全などから密教を学びました。この留学経験は、宗叡の仏教観をさらに深め、密教僧としての地位を確立する上で重要な役割を果たしました。

865年（貞観7年）に帰国し、869年（貞観11年）に権律師、879年（元慶3年）には僧正に任じられました。また、東大寺の別当や東寺の二長者も歴任し、仏教界での指導的な立場を務めました。宗叡は、清和天皇の厚い帰依を受け、天皇が出家する際にはその戒師も務めました。

宗叡は、その博識と優れた仏教的知識、そして高潔な人柄から、当時の人々から深く尊敬されました。彼は、日本仏教、特に密教の発展に多大な貢献をした人物として、歴史に名を刻んでいます。彼の残した足跡は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。宗叡が学んだ様々な宗派の教えと、唐での留学経験が、彼の豊かな仏教観を形作ったと言えるでしょう。特に密教においては、その深い理解と実践を通して、多くの人々にその教えを広めました。

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