山口組

山口組（やまぐちぐみ）について

山口組は、兵庫県神戸市に本部を置く日本最大規模の暴力団で、特定抗争指定暴力団の一つです。現在の組長が六代目であることから六代目山口組とも称されます。組員数は約7,400人で、その内訳は構成員が約3,500人、準構成員が約3,800人です。2023年末時点で、山口組は日本の44の都道府県に系列組織を展開しており、住吉会や稲川会などとともに、国家公安委員会によって主要な暴力団と認定されています。

組織構造とシンボル

山口組の組織は、組長1名と数名の舎弟（弟分）、さらに数十名の若中（子分）から成り立ち、全体でおよそ100人弱の構成です。しかし、組長を除く各組員はそれぞれが独立した組織の首領で、彼らは「直参」として知られています。山口組のシンボルマークは、菱形の中に「山」の字を描いたもので、「山菱」と称しています。

2014年の調査によれば、山口組の収益は年間66億ドル（約7,150億円）とされ、これは世界の他の主要マフィアの中でも非常に高い数字です。初めての報告時には、実際の収益の10倍にあたる800億ドルという誤った数字が流れたこともあります。

来歴

結成から独立まで

山口組は、1915年に「運河ノ親分」と称される大嶋秀吉の傘下で活動を開始しました。設立者山口春吉は、当初は50名の労働者から成る小規模な組織を作り上げ、神戸に事務所を設立しました。その後、彼の組織は急激に成長し、1925年には独立を果たしました。以降、山口組は急激に勢力を拡大し、特に1946年から始まった三代目体制の下で日本全国にその名を広めることになります。

三代目の急成長

田岡一雄が三代目組長に就任した後、組は急成長を遂げました。彼の指導のもと、昭和30年代から40年代にかけて、全国各地に勢力を広げ、数々の抗争を繰り広げました。この時期には「小松島抗争」や「広島代理戦争」などが発生しました。1980年までに組織は約1万1800人を数えるまでに成長しました。

四代目から21世紀へ

1984年、竹中正久が四代目組長に就任するも、直後に一和会との抗争が勃発。1989年には五代目の渡辺芳則が新たな組長に就任し、暴力団対策法が施行された年には、直系組織の数が最大を記録しました。また、阪神淡路大震災時には組織による災害救援活動が評価されました。しかし、その後さまざまな事件が引き起こり、特に2005年には渡辺が突如引退し、六代目体制が始まりました。

山口組の分裂と抗争（2015年〜）

2015年には内部での対立が激化し、分裂が起こりました。これに伴って神戸山口組という新組織が誕生し、その後様々な抗争が全国で発生しました。この時期、警察は双方の抗争を特定抗争指定暴力団として認定しました。2023年末までに、26都道府県で100件以上の抗争事件が報告されています。

組織の理念と行動指針

山口組は「侠道精神」に基づく5つの綱領を定めています。これにより、和親合一、信義の重視、長幼の序、己の節を守ること、自身の人格向上を謳っています。これらは定期的な集会で唱和され、組の運営や行動指針の中心となっています。

終わりに

山口組は、日本の暴力団の中でも特に影響力のある存在であり、歴史的な背景と共に多くの社会問題を引き起こしてきました。その組織構造や活動は、文化、経済、さらには治安にまで広がる幅広い影響を持っています。

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