山部駅

山部駅（廃駅）

山部駅は、かつて北海道富良野市山部中町1に位置していた北海道旅客鉄道（JR北海道）根室本線の駅でした。駅番号はT32、電報略号はヤマ。長らく地域の足として親しまれてきましたが、2024年4月1日に富良野駅 - 新得駅間の廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

山部駅の歴史は古く、1900年（明治33年）12月2日に北海道官設鉄道十勝線の信号停車場として開業したのが始まりです。その後、1901年（明治34年）4月1日に駅に昇格し、一般駅として営業を開始しました。

1900年（明治33年）12月2日：北海道官設鉄道十勝線の信号停車場として開業
1901年（明治34年）4月1日：駅に昇格。一般駅となる
1905年（明治38年）4月1日：逓信省鉄道作業局（国有鉄道）に移管
1919年（大正8年）5月1日：山部駅 - 新得駅間の管轄が旭川管轄から釧路管轄に変更
1923年（大正12年）4月1日：山部駅 - 新得駅間の管轄が釧路管轄から再び旭川管轄に変更
1949年（昭和24年）12月1日：布部駅 - 新得駅間の管轄が旭川鉄道管理局管轄から再び釧路鉄道管理局管轄に変更
1981年（昭和56年）10月1日：急行「狩勝」の停車駅となる
1984年（昭和59年）2月1日：貨物取扱い廃止
1985年（昭和60年）3月14日：荷物取扱い廃止
1986年（昭和61年）11月1日：駅員無配置駅となり、簡易委託化
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道（JR北海道）の駅となる
1988年（昭和63年）：現駅舎に改築
1990年（平成2年）9月1日：急行「狩勝」廃止（同名の快速へ変更）。札幌駅直通列車が消滅
1994年（平成6年）4月1日：簡易委託廃止、無人化。管轄が本社鉄道事業本部に移管
2024年（令和6年）4月1日：富良野駅 - 新得駅間の廃止に伴い廃駅

駅名の由来

駅名は、所在地の地名に由来します。山部という地名は、現在の山部川のアイヌ語名に由来するとされています。松浦武四郎の旧図には「ヤマイ」、明治期の地図には「ヤマエ」と記載されていますが、その原義は忘れられています。有力な説としては、「ヤムペ（yam-pe）」（冷たい・水）、「ヤムアエ（yam-a-e）」（栗を・我ら・食べる）、「ヤムペッ（yam-pet）」（冷たい・川）などが考えられています。

駅構造

廃止時点では、相対式ホーム2面2線を有する地上駅でした。ホーム間の移動は構内踏切を利用していました。2番線ホームには、1911年に建造されたレンガ造りのランプ小屋が残されていました。

駅周辺

山部駅周辺は、山部の街並みが広がっています。この地域は、1966年5月1日に富良野市へ吸収合併された山部町の中心市街地でした。

富良野市役所山部支所
富良野警察署山部駐在所
山部郵便局
ふらの農業協同組合（JAふらの）山部支所
富良野市立山部小学校
ふらのバス、ノースライナー、占冠村営バスの停留所
東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部北海道演習林
野沢鉱山跡地
空知川

地域開拓のきっかけは1898年設置の北海道大学第八農場と1899年に国有林の払い下げを受けた東京帝国大学北海道演習林でした。第二次世界大戦後の農地改革により、北大農場は1950年に解消され、東大演習林も付属農地を売却しました。また、山部駅付近にはアスベスト鉱山が点在し、野沢鉱山や山部石綿鉱山などが操業していましたが、1970年代までに採掘は中止されています。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）

■根室本線

布部駅 (T31) - 山部駅 (T32) - 下金山駅 (T33)

参考文献

JR北海道

関連項目

日本の鉄道駅一覧

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