巫女装束

巫女装束について

巫女装束（みこしょうぞく）は神道の巫女が着用する特有の衣装です。多くの場合、具体的な装束の規定がないため、各神社の伝統やしきたりに応じて異なるスタイルが採用されています。巫女は、女性神職とも呼ばれ、男性の神職と同様に彼女たちの衣装にも特定の規定があります。本記事では、神事に従事する巫女の衣装の詳細について紹介します。

概要

伝統的な巫女の装束は、白い小袖（白衣）に緋袴を組み合わせたものであることが一般的です。小袖と袴は神社での作業服としてどちらの性別にも見られますが、正式な祭典では巫女はこの姿で奉仕しません。神職自体もその下に同様の装束を着用しています。また、巫女装束の中で禁色とされる色もあり、天皇や皇太子の色は用いられません。巫女装束は神聖なものとして丁寧に扱われ、着脱の際のしきたりが重視されています。特に、装束を脱ぎ捨てたり、無造作に置いたりすることが厳禁とされています。

装束の構成

白衣（はくえ）

白衣は巫女の上半身を覆うもので、一般には白い小袖です。その袖丈は留袖と同様で、元々下着として用いられたものが平安時代以降に表着となった経緯があります。襟元には赤い襟が見えることもあり、これは装飾的な役割を持ちます。白衣を着る際には、基本的に腰巻と肌襦袢を着用し、最後に白衣を重ねます。白帯でしっかり固定し、全体のスタイルを整えます。

緋袴（ひばかま）

下半身をカバーする緋袴には、実際には緋色または朱色が用いられます。元は平安時代の貴族の女性が着た袴が起源です。伝統的な形状を今も踏襲していますが、明治時代以降に着脱が簡便なタイプが改良されました。巫女の場合、神社によっては色やスタイルが異なることがあります。

千早（ちはや）と水干（すいかん）

巫女が神事を行う際には、「千早」を羽織ります。千早は古代のスタイルを保持しつつも、現代的なデザインが採用されることがあります。一方、水干も衣装の一部として用いられることがあり、1987年以降は公式には外されましたが、未だに使用されている場合があります。

その他の構成要素

さらに、巫女装束には裳や羽織、髪飾りなど多様な要素が含まれます。這（はこ）や水引と呼ばれる髪留めの具は、神事に従事する上で欠かせないものであり、伝統的な形式が保持されています。履き物は白足袋や草履、木製の下駄が一般的で、季節や用途に応じた選択が求められます。

まとめ

以上が巫女装束の主な要素とその伝統的な重要性についての概略です。この装束は、神道の儀式において尊い役目を果たし、巫女の神聖さと伝統を象徴しています。これらの衣装の背後には深い意味が秘められており、巫女の役割を理解する上で欠かせない構成要素といえます。

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