平田職忠

平田 職忠 (ひらた もとただ)

生涯
平田職忠は1580年に誕生し、1660年に亡くなりました。彼は安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した地下官人・有職家であり、官位は正四位上を持つ優れた人物です。兵庫頭・深尾職久の子として生まれ、後に大蔵大輔である平田職清の養子となりました。

職忠は、平田家の庶流から成り上がり、天正14年には従五位下として左近衛将監に叙任されました。彼は舟橋秀賢から有職故実を学び、その後、後陽成上皇にも教鞭を取るほどの実力者となります。特に、慶長13年には『職原抄』の校訂・刊行を行い、歴史書の編纂にも関わりました。

地位と権限
慶長20年には左衛門大尉を兼任し、その後、蔵人方地下官人を統率する催官人に抜擢されました。元和6年には大蔵大輔に昇進し、元和7年には正四位上に叙任されるなど、その地位は飛躍的に向上しました。さらに、寛永元年には同家初の正四位下に叙位され、寛永5年には正四位上へ至りました。職忠に続いて正四位上になる者はなく、彼一人の特異な地位と言えます。

寛永13年には致仕し、以後は萃庵の号を称しています。万治3年に亡くなるまで、81年間の生涯を全うしました。

業績
職忠の業績は多岐にわたります。彼は『官職便覧』『童訓略頌』をはじめ、多くの著作を残しました。また、徳川家康及びその三代の将軍宣下を記録した文献も作成しており、その影響力を伺わせます。古くは『魚魯愚鈔』の作者と見なされた時期もありましたが、近年ではそれが否定されています。

家族構成
平田職忠は、養父に平田職清、父に深尾職久を持ち、母は多忠宗の娘です。妻は河越宗也の娘であり、子には平田職在と晃海がいます。職在は1601年生まれで1686年に没することになり、その子孫も平田家を引き継ぎました。

最期
万治3年6月16日、平田職忠は、その長い生涯を閉じました。彼の墓は浄福寺に設けられ、安土桃山から江戸時代にかけての混乱の中で、彼が培った有職故実の知識や彼が成し遂げた業績は、後世へと受け継がれていくことになります。彼を通じて、江戸時代の重要な歴史的背景や文化の理解が進むことでしょう。

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