彦根城博物館

彦根城博物館

彦根城博物館は、滋賀県彦根市金亀町に位置する彦根市立の歴史博物館です。彦根市の市制50周年を記念して、1987年2月12日に開館しました。

歴史・概要

博物館の開設に伴い、井伊美術館は1986年1[[1月30日]]に閉館し、その収蔵品が彦根市に寄贈されました。これにより、彦根城博物館は開館当初から約2万点に及ぶ美術品や歴史資料を収蔵・展示する施設としてスタートしました。

博物館の敷地は、江戸時代の彦根藩の政庁であり、明治時代に取り壊された彦根城の表御殿跡です。そのため、博物館建設にあたっては、遺構の保存と博物館建設を巡る議論があり、1983年9月から発掘の予備調査が行われました。この調査で米蔵の石組みなどが発見され、翌1984年には全面的な発掘調査が実施されました。

全面的な発掘調査の結果、彦根城表御殿が古絵図と一致することが確認され、能舞台遺構ではプール状の共鳴箱が確認されるなどの成果が得られました。これらの調査を踏まえ、文化財保護審議会は1984年1[[1月24日]]に表御殿跡地への博物館建設を承認しました。

建物は、約27億円の事業費を投じ、彦根城の表御殿を古絵図などに基づいて復元したものです。復元設計は建築家の早川正夫が担当しました。また、能舞台は岩手県から約110年ぶりに再移築・復元されたもので、1987年2月8日の完成式典で能舞台開きが行われました。

沿革

1983年：彦根城博表御殿跡の発掘予備調査開始、完了
1984年：彦根城博表御殿跡の全面的な発掘調査開始、完了
1984年4月28日：彦根市の市制施行50周年記念事業として、彦根城博物館計画の概要を発表
1984年6月12日：地元経済界や学識経験者らが「彦根城博物館建設後押しすすめる会」を設立
1984年1[[1月24日]]：文化財保護審議会が表御殿跡地への建設を承認
1985年3月20日：起工式
1985年8月：展示資料の調査に着手
1986年1[[1月30日]]：井伊美術館が閉館し、収蔵品を彦根市に寄贈
1986年12月11日：展示品の搬入を開始
1986年12月26日：博物館の建築を彦根市に引き渡し
1987年2月8日：完成式典、初代館長に井伊正弘が就任
1987年2月12日：開館
1987年8月21日：茶席開き
以降、入館者数達成、資料の発刊、古文書調査報告書の発刊、JRAの馬事文化賞を受賞、佐竹永海の作品や古文書、武芸史料などの購入・寄贈を受け、収蔵品を拡充
2014年10月1日：設備改修のため長期休館
2015年6月1日：新装開館

主な収蔵品

開館時点では、井伊美術館が所蔵していた井伊家の美術品や彦根藩に関する古文書など約2万点を収蔵・展示していました。主な収蔵品としては、井伊家に伝来した美術品約6千点、彦根藩に関する古文書約3万5千点などがあります。具体的には、甲冑、刀剣武具、絵画、能装束、茶道具、日本の楽器などが挙げられます。

国宝

紙本金地著色風俗図（彦根屏風）

重要文化財

我宿蒔絵硯箱
太刀 銘国宗（二代）
太刀 銘国宗（伯耆）
彦根藩井伊家文書 27,800通

復元

博物館の建物は、大きく以下の4つの部分に分けられます。

1. 御殿の表向部分：鉄筋コンクリートによる外観復元。展示スペース、収蔵スペースとして使用
2. 木造復元部分：藩主の住居や茶室
3. 庭園復元部分
4. 移築能舞台部分：岩手県から約110年ぶりに再移築して復元

庭園

庭園は池を中心とした池泉庭園で、藩主の居間である「御座之御間」からの眺めを中心に設計されています。庭には散策路も設けられています。この庭園は古い時代の古絵図には記載されていないため、江戸時代後期に築かれたと考えられています。復元にあたっては発掘調査を実施し、池の規模などを把握しましたが、庭石や築山の正確な形状は不明でした。そのため、詳細に庭園が描かれている古絵図を参考に、庭石や築山を復元しています。ただし、築山の左奥にあった茶室「不待庵」と待合の「鴬谷」は復元されていません。

施設情報

開館時間：8時30分～17時（入館受付は16時30分まで）
休館日：毎年12月25日～12月31日
入館料：500円、中学生以下250円

交通アクセス

電車：JR琵琶湖線彦根駅から徒歩約15分
車：名神高速道路彦根インターチェンジから国道306号。彦根城に有料駐車場あり

参考文献

『彦根城-彦根城博物館-』 彦根城博物館友の会
『木造棟』 彦根城博物館
『木造棟と庭園の復元』 彦根城博物館

関連項目

井伊氏
井伊直弼
玄宮園
楽々園
埋木舎

外部リンク

彦根城博物館/公式ホームページ
彦根城博物館/滋賀県観光情報公式ホームページ
* 彦根城博物館/彦根観光協会公式ホームページ

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