新後拾遺和歌集

『新後拾遺和歌集』（しんごしゅういわかしゅう）は、南北朝時代から室町時代にかけて編纂された勅撰和歌集です。二十一代集の20番目に位置づけられ、二条家（御子左流）が撰した最後の集となります。

室町幕府第3代将軍であった足利義満の意向を受け、後円融院が二条為遠に編纂を命じたのが始まりです。永和元年（1375年）6月29日に下命され、為遠が編纂に着手しましたが、永徳元年（1381年）5月に為遠が死去。その後、二条為重が遺志を引き継ぎ、至徳元年（1384年）12月に完成に至りました。

永徳2年（1382年）には、二条良基による序文が書かれています。歌数は1554首。部立は、『拾遺和歌集』に倣い、春（上下）・夏・秋（上下）・冬・雑春・雑秋・離別・羈旅・恋（1-5）・雑（上下）・釈教・神祇・慶賀で構成されています。一方で、仮名序や四季の部立は『続拾遺和歌集』の影響を受けています。

主な歌人としては、二条良基（29首）、二条為定（28首）、後円融天皇（24首）、二条為重（23首）、近衛道嗣（19首）、足利義詮（19首）、足利義満（19首）などが挙げられます。二条為重に近い歌人が多く入集している反面、彼と対立関係にあった二条為明に近い歌人は冷遇されたとされています。また、武家や僧侶の歌が目立つ点も特徴です。

しかし、『諸雑記』によれば、完成当初から歌集としての評価は低く、落書がされるほど批判されたといいます。歌風は、二条派特有の平明で優美なものでしたが、斬新さや革新性は乏しかったようです。

参考文献
* 『新後拾遺和歌集　和歌文学大系11』 松原一義・鹿野しのぶ・丸山陽子校注（明治書院、2017年）

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