旧金毘羅大芝居

旧金毘羅大芝居について

旧金毘羅大芝居（きゅうこんぴらおおしばい）は香川県仲多度郡琴平町に位置する、日本最古の芝居小屋であり、その歴史的価値から国の重要文化財に指定されています。別名金丸座（かなまるざ）と呼ばれ、プライベートな観劇から大規模な公演まで、多様な文化活動の舞台として利用されてきました。

歴史的背景

金刀比羅宮への参拝者が多く訪れた江戸時代、金毘羅講が盛況だったことがきっかけとなり、琴平周辺はさまざまな興行の場として発展しました。芝居や相撲、操り人形などが行われ、当時は仮設の芝居小屋が年に数回設けられていました。1835年に棟上げされ、翌年に完成した旧金毘羅大芝居は、その中でも特に重要な劇場として位置付けられ、全国から著名な役者たちが舞台に立ちました。また、富くじの開札場としても利用されていました。

時代の移り変わり

19世紀から20世紀にかけて、名称が幾度か変遷し、映画の興行にも使われるようになりました。しかし、映画産業の衰退と共に長らく使われなくなり、廃屋同然の状態に陥りました。1953年には重要文化財に指定されましたが、その後1964年に指定が解除されました。しかし、その後再評価がなされ、1970年には改めて国の重要文化財に指定されました。この際に「旧金毘羅大芝居」という名称が付けられました。

1972年から1976年にかけては移築復元工事が行われ、琴平町乙へ移転しました。その後も、二代目中村吉右衛門、五代目中村勘九郎など著名な役者たちによる公演が行われ、1985年には「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開始され、翌年から毎年春に定期公演が行われるようになりました。

平成の大修復

2002年に行われた建物の保存状態及び耐震性の調査で、江戸時代の舞台装置の一部が発見され、その復元が進められました。2003年12月には「平成の大修復」が完了し、いい状態での保存が図られ、鉄柱の撤去や仕掛けの復元がされました。

芝居小屋の特徴

旧金毘羅大芝居は江戸時代の劇場建築として重要な文化財であり、観客席は約730席あり、仕切りの木や提灯など、典型的な日本の芝居小屋の設計がなされています。特に、花道や廻り舞台、もばらの当時の面影を残した舞台装置が特徴です。

現在の活動

現在も年1回の公演が行われ、四国こんぴら歌舞伎大芝居としてその伝統を引き継いでいます。一般に向けた公開日には、舞台や楽屋など、施設内のさまざまな箇所を見学することもでき、地域の文化や伝統を学ぶ場ともなっています。また、金刀比羅宮への参拝など地元の祭りと連携したイベントも行われており、地域との深い結びつきも表れています。

アクセスと周辺施設

訪れるにはJR四国土讃線の琴平駅が最寄りで、琴平町立歴史民俗資料館など周辺には関連する施設も充実しています。また、こうした活動や公演を通じて、地域活性化にも寄与する重要な存在となっています。

旧金毘羅大芝居は、信仰の場としての金刀比羅宮と合わせて、地域の歴史や文化を体現する象徴的な場所として、今後もその存在価値を守り続けることが期待されています。

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