東京大学総合図書館

東京大学総合図書館



東京大学総合図書館は、国立大学法人東京大学に附属する図書館の一つで、本郷キャンパスの中心に位置しています。東京大学には、3つの拠点図書館と27の部局図書館があり、これらを総称して東京大学附属図書館と呼びます。総合図書館は、その中でも最大規模を誇り、本郷キャンパスの拠点図書館としての役割を果たしています。

施設



総合図書館は、本館と別館から構成されています。

本館



本館は、地上5階、地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造の建物で、1928年に竣工しました。この建物は、東京帝国大学附属図書館時代に建てられたもので、歴史的な価値も有しています。2020年10月1日からは、4階にアジア研究図書館が設置され、アジア諸地域の研究に関する資料が集約されています。

別館



別館は、本館の前庭に新設され、地下1階のライブラリープラザと、地下2階から4階の自動化書庫からなります。2018年に開館したこの別館は、最新の設備を備え、図書館の機能強化に貢献しています。

蔵書



総合図書館の蔵書は、図書が130万冊強、逐次刊行物が2万種類強に及びます。和漢洋の古典籍をはじめ、南葵文庫や鴎外文庫など、貴重なコレクションも多数所蔵しています。

沿革



総合図書館の歴史は、幕府が開設した蕃書調所にまで遡ります。

東京大学創立から関東大震災前まで



蕃書調所は、書籍の保存だけでなく、目録作成や貸出も行っており、図書館活動の原点となりました。蕃書調所は開成所を経て、大学南校となり、書籍の貸出に関する規定が設けられました。大学南校は東京開成学校に改組され、図書室が設置され、閲覧室の名前が改められるなど、図書館としての機能が整備されました。1877年東京大学が発足すると、図書館は神田一ツ橋の校地内に設けられ、閲覧室が学部ごとに分けられました。その後、法理文3学部が本郷に移転し、図書館も法文学部の建物内に移りました。1890年には新図書館の建設が始まり、1892年に竣工、学生閲覧室や職員閲覧室などを備えた新図書館が完成しました。しかし、蔵書の増加に伴い、1907年には増築が行われ、1909年には事務室や閲覧室の改築が行われました。

関東大震災と復興



1923年関東大震災では、図書館の近くで発生した火災が延焼し、図書館全体が焼失するという大惨事が起こりました。多くの蔵書が失われましたが、国内外からの支援により図書館再建の動きが始まりました。ロックフェラー財団からの寄付により、新たな図書館の建設が進められ、1928年に竣工しました。この再建によって、蔵書も着実に回復しました。

戦時中の動向



日中戦争以降は、図書館も戦争の影響を受けることになりました。文科系の蔵書の受入数が減少し、職員の徴兵も相次ぎました。東洋文化研究所の設置に伴い、図書館のスペースも減少しました。戦局が悪化すると、図書の疎開が行われ、山梨県に貴重書が疎開されました。幸い、本郷キャンパスは空襲の被害をほとんど受けず、図書館の建物や資料は無事でした。

戦後



終戦後、疎開されていた図書は図書館に戻され、海外雑誌のバックナンバーも続々と受け入れられました。一方で、接収されていた中国の教科書類が返還されたり、海軍文庫が没収されたりする動きもありました。占領中は、進駐軍の軍人が図書館を訪れることが多く、職員はレファレンス業務に追われました。また、アメリカ式の図書館運営方式が取り入れられ、図書館の近代化が進められました。

岸本館長下における近代化の取り組み



1960年、岸本英夫が図書館長に就任すると、図書館の近代化が図られました。ロックフェラー財団からの寄付を受け、アメリカの先進的な大学図書館を視察し、図書館の徹底的な改革が進められました。全学総合目録の作成や、附属図書館体制の確立、指定書制度の強化、総合図書館の近代的な改装などが行われました。この改革によって、図書館は図書を保管するだけでなく、広く利用させる場へと変貌しました。

東大紛争下における混乱



1968年には、東大紛争が発生し、図書館も封鎖されるという事態になりました。しかし、図書館内では破壊行為などはなく、秩序が保たれて封鎖が解除されました。図書館は一時的に閉鎖されましたが、その後再開を果たしました。

裏田館長下の改修と電算化への対応



1981年に館長に就任した裏田武夫の下で、図書館の全面的な改修が行われました。開架図書の充実や自動化設備の導入などが行われました。また、電算化も進められ、オンライン目録OPACによる蔵書の検索サービスが開始されました。

新図書館の建設と耐震改修



本館の老朽化や蔵書の増加に対応するため、図書館前広場の地下に新館が建設されました。本館も耐震改修が行われ、図書館全体の機能が向上しました。新館には、ライブラリープラザや自動化書庫が設けられ、本館には歴史的価値を尊重した改修が行われました。2020年には、一連の改修工事が完了し、グランドオープンを迎えました。

年表



(年表の内容はinputに記載されているため省略)

現在の建物



本館



本館は、1925年に着工し、1928年に竣工しました。鉄骨鉄筋コンクリート造りで、左右対称の美しい外観を持っています。本館は、関東大震災で焼失した旧図書館の跡地に建てられました。再建にあたっては、ロックフェラー2世からの寄付が大きな支えとなりました。

建築にあたっては、内田祥三が設計を担当し、内田の弟子たちが作成した複数のデザイン案をもとに設計が進められました。外観は、内田ゴシック様式と呼ばれる建築様式で、スクラッチタイル張りの壁面やバットレス風の柱が特徴的です。

館内には、大階段や記念室など、歴史を感じさせる空間が数多くあります。大階段は、1階から3階のホールにつながっており、図書館の象徴的な空間となっています。記念室には、グヒエーシヴァリー寺院の模型や、図書館の模型、鹿頭の剥製などが展示されています。旧新聞雑誌閲覧室は、1階と2階に分かれており、かつて新聞や雑誌が閲覧できる場所でした。

本館には、その他にも、2階閲覧室、2階東翼、3階ホール、3階閲覧室、3階東翼、4階、5階、書庫などがあります。

別館



別館は、本館前の図書館前広場に新設された、地下4階建ての施設です。地下1階には、ライブラリープラザが設けられ、学生や教職員がアクティブラーニングを行うための空間として活用されています。地下2階から4階には、自動化書庫が設置され、約300万冊の書籍を収容することができます。地下に設けられることから、浸水や土圧への対策が施されています。

別館の建築は、複数の賞を受賞しており、そのデザイン性や技術力が評価されています。

歴代館長一覧



(歴代館長一覧はinputに記載されているため省略)

蔵書



総合図書館では、電子出版に対応するため、ネットワークを介した情報提供サービスも行っています。また、ホームページから様々な情報を発信したり、展示会を開催するなど、図書館のコンテンツを一般に公開しています。

紀州徳川家から寄贈された南葵文庫をはじめ、青洲文庫、鷗外文庫、田中文庫、亀井文庫など、多くの貴重なコレクションを所蔵しています。これらのコレクションは、研究者にとって貴重な資料となっています。

分類



総合図書館では、1928年の開館時に独自の一館分類法を使用していました。しかし、時代の変化とともに、最新の研究分野に対応することが難しくなったため、2001年に分類基準を変更しました。洋図書にはデューイ十進分類法、和図書には日本十進分類法を採用し、使いやすさを向上させました。

利用



(開館日程・時間、交通機関はinputに記載されているため省略)

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