東武博物館

東武博物館：東武鉄道の歴史を体感する

東武博物館は、東京都墨田区東向島にある東武鉄道に関する資料や車両を展示する博物館です。東武スカイツリーライン東向島駅の高架下に位置し、一般財団法人東武博物館が運営しています。1989年に東武鉄道創立90周年記念事業として開館し、東武鉄道の歴史と技術を深く学べる施設として、多くの鉄道ファンに親しまれています。

歴史

東武博物館は、1989年 5月20日に東武鉄道伊勢崎線東向島駅の高架下に開館しました。建設地選定にあたっては、東武動物公園駅（旧杉戸駅）ヤード跡地や新越谷駅高架下など複数の候補地が挙がりましたが、人口、交通網、周辺の商工業、地元貢献度などの要素を総合的に検討した結果、東向島駅に隣接する現在地が選ばれました。

2012年からは、現役車両の一部も保有するようになり、8000系8111編成や「SL大樹」に使用される車両が博物館の所有となっています。博物館は2008年にリニューアル工事のため一時休館し、2009年 7月22日にリニューアルオープンしました。この際に、5700系5701号電車とED101形101号電気機関車が新たに搬入されています。

展示物

館内には、東武鉄道の歴史を彩る数々の貴重な車両が展示されています。

B1形5号蒸気機関車: 東武鉄道開業時の蒸気機関車で、開業当時の姿に復元されています。毎日数回、車輪が回転する演出が行われます。
B1形6号蒸気機関車: 同じく開業時の蒸気機関車ですが、こちらは廃車時の姿で保存されています。屋外に展示されています。
デハ1形5号電車: 東武鉄道初の電車です。その歴史的な価値から、東武鉄道記念物にも指定されています。
5700系5701号電車: 愛称「ネコひげ」で親しまれた車両で、リニューアル時に登場時の姿に復元されました。
5700系5703号電車: 車両前面部のみが保存されており、その一部はアルナ車両の鉄道車両製造部門閉鎖により東武に引き取られました。
1720系1721号電車: 車体前半部のみが保存されており、車内にも入ることができます。
ED10形101号電気機関車: 東武鉄道初の電気機関車で、リニューアル時に登場時の姿に復元されました。近江[[鉄道]]からの移設です。
その他: ED5010形ED5015号電気機関車、日光軌道線200形203号電車、キャブオーバーバス、日光交通明智平ロープウェイ2号搬器、トキ1形無蓋貨車、8000系8101号の台車、パンタグラフ、制御器、スペーシア個室（レプリカカットモデル）など、多岐にわたる展示があります。

屋外には、B1形6号蒸気機関車、1720系1721号電車、200形203号電車が展示されています。1721号電車と203号電車は館内から車内に入ることができ、6号蒸気機関車は「SLスクエア」に展示されています。

運転シミュレータ

東武博物館には、電車とバスの運転シミュレータが設置されており、鉄道ファンにはたまらない体験ができます。

電車（大型）有料: 10030系カットボディを使用し、伊勢崎線や東上本線の区間を運転できます。国家試験を参考に作られた試験コースでは、運転技術に応じて「運転士見習」「運転士」「主任運転士」の資格を得ることができます。プレミアムコースでは、様々な路線や種別を体験できます。2023年10月14日にリニューアルされ、有料化されました。
電車（大型）無料: 8000系と50050系のシミュレータがあり、伊勢崎線や東上本線の区間を運転できます。路線選択はできませんが、様々な運用を体験できます。2024年現在は、50050系は伊勢崎線急行、8000系は伊勢崎線普通に固定されています。
電車（ミニ）: 10030系の運転台を模したミニシミュレータで、簡易的な運転体験ができます。
バス: 日野・RE120のカットボディを使用し、柏コースと川越コースの2種類を体験できます。

過去には、10030系や8000系のシミュレータも存在していましたが、リニューアルや有料化に伴い、現在の形になっています。

その他施設

ウォッチングプロムナード: 東向島駅上りホーム直下にある見学スペースで、列車を下から見ることができます。珍しい視点から鉄道を楽しめるスポットです。
向島サテライト: 向島地区の歴史と文化を紹介するコーナーです。
休憩コーナー: 食事や休憩ができるスペースです。
Oゲージ運転コーナー: 自分でOゲージの電車を運転できます。
関東平野に広がる東武: H[[Oゲージ]]のジオラマで、東武鉄道の一日を再現しています。
ミュージアムショップ: 東武博物館オリジナルグッズを販売しています。

まとめ

東武博物館は、東武鉄道の歴史と技術を深く学べるだけでなく、実際に車両を間近で見たり、運転シミュレータで鉄道体験をしたりと、大人から子供まで楽しめる博物館です。鉄道ファンはもちろん、家族連れでも楽しめるスポットとして、ぜひ訪れてみてください。

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