SL大樹

SL大樹：東武鉄道が走らせる感動のSL観光列車

SL大樹は、東武鉄道が鬼怒川線の下今市駅と鬼怒川温泉駅の間で運行する蒸気機関車牽引の観光列車です。SL大樹の魅力は、SLだけでなく、DL（ディーゼル機関車）が牽引する列車や、日光線を走る「SL大樹ふたら」など、多様な列車が運行されている点です。

概要

2017年8月10日、東武鬼怒川線にSLが復活しました。これは1966年6月に佐野線での運行が廃止されて以来、約51年ぶりの出来事でした。SL大樹は全車指定席で、SL座席指定料金は距離に応じて設定されています。

特筆すべきは、大手私鉄で定期的にSL列車が運行されているのは、東武鉄道のSL大樹が唯一であるという点です。他のSL列車は大井川鐵道や真岡鐵道などの地方私鉄や、JRグループで運行されています。

運行概況

SL大樹、DL大樹、SL大樹ふたらの3つの列車があり、これらの列車を組み合わせて6種類のダイヤ編成が組まれています。DL大樹を含めるとほぼ毎日運行されており、3種類すべてが運休となる日は月に数日程度です。

停車駅は、下今市駅、東武ワールドスクウェア駅、鬼怒川温泉駅です。

車両編成

通常の編成は、SL+車掌車+客車です。客車は3両編成ですが、12系客車の導入により4両編成になる予定です。SL大樹ふたらの運行日には、DLが連結されます。

使用車両

使用される車両は、C11形蒸気機関車、DE10形ディーゼル機関車、14系および12系客車、ヨ8000形車掌車です。これらの車両について詳しく見ていきましょう。

蒸気機関車

C11 207: JR北海道からの借り入れ機で、2017年8月10日から運行しています。
C11 325: 真岡鐵道からの譲受機で、2020年1[[2月]]26日から運行しています。
C11 123: 江若[[鉄道]]が導入した蒸気機関車で、2022年7月18日から運行しています。この車両はATSを搭載しており、車掌車の連結が不要です。

ディーゼル機関車

DE10形 (DE10 1099, DE10 1109): JR東日本からの譲受機です。DE10 1099は国鉄色、DE10 1109はJR北海道のブルートレイン牽引機に似せた塗装となっています。

客車

14系: JRから譲受した客車で、元ドリームカーも含まれています。
12系: 元JR四国のオロ12形客車で、展望車化と座席取り替えの改造が施されています。

車掌車

* ヨ8000形: JRから譲受した車掌車で、SLの次位に連結されます。

DL大樹

DL大樹は、ディーゼル機関車が単独で牽引する列車です。SLの不調時の代走として運行を開始しましたが、現在は定期運行も行われています。SL運行時よりも安価なDL座席指定料金が適用されます。

SL大樹ふたら

SL大樹ふたらは、旅行商品専用の団体列車として運行を開始しました。現在は定期運行も行われており、一般客も乗車できます。東武日光駅構内に転車台がないため、DLが連結されます。

沿革

SL大樹は、2017年8月10日に運行を開始しました。その後、DL大樹の定期運行開始や、C11 325、C11 123の運行開始など、様々な変遷を経て現在に至ります。

その他の取り組み

SL運転技術習得や検修のため、JRや他の私鉄に研修を依頼しています。また、下今市駅には転車台やSL展示館・転車台広場が設けられています。

SL大樹の運行は、多くの人々の協力によって支えられています。オリジナルグッズの販売や、SL大樹完全乗車キャンペーンなども実施されています。

SL大樹は、東武鉄道沿線の観光振興に大きく貢献しています。その経済効果は、運行開始から2019年3月末までに70億円と試算されています。

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