板室温泉

板室温泉：歴史と自然に抱かれた癒やしの湯郷

概要

栃木県那須塩原市板室にある板室温泉は、日光国立公園内に位置し、那珂川上流の豊かな自然に囲まれた温泉地です。平安時代後期、康平2年（1059年）に那須宗重が狩りの際に発見したと伝えられています。

古くから「下野の薬湯」と呼ばれ、近世には那須七湯の一つとして湯治場として栄えました。昭和46年（1971年）には国民保養[[温泉地]]に指定され、現在も多くの観光客が訪れる人気の温泉地となっています。

板室温泉の特徴は、市営の入浴施設「板室健康のゆ グリーングリーン」を除き、ほとんどの施設が源泉掛け流しである点です。泉質は単純温泉または硫酸塩泉で、湯温は31度から49度と幅があり、様々な効能が期待できます。

独自の湯治文化：綱の湯

板室温泉のユニークな入浴方法として知られるのが「綱の湯」です。腰以上の深さの湯船に立ちながら、梁から吊るされた綱を握って入浴する方法で、水圧による血行促進効果が期待でき、関節痛などに効果があるとされています。

かつては、杖をついていた湯治客が綱の湯で治療した後、杖が不要になるほど回復したことから、「杖いらずの湯」とも呼ばれていました。回復した湯治客は、地元の板室温泉神社に不要になった杖を奉納する習慣がありました。

三大祈願と信仰

板室温泉には、板室温泉神社、篭岩神社、木の俣地蔵尊の3つの祈願所があり、それぞれに治癒祈願など、人々の信仰を集めてきました。これらの祈願所は、温泉地の歴史と文化を象徴する存在です。

アクセス

板室温泉へのアクセスは、電車、バス、自家用車と様々な方法があります。

鉄道利用: JR東北新幹線または宇都宮線の那須塩原駅、黒磯駅から関東自動車の路線バスで約35分。タクシーやレンタカーでもアクセス可能です。
高速バス利用: バスタ新宿または王子駅から那須・塩原号で戸田（板室温泉口）バス停下車後、関東自動車の路線バスを利用します。
* 自家用車利用: 東北自動車道の黒磯板室ICから約20分、または那須ICから約30分です。

周辺の見どころ

板室温泉周辺は日光国立公園那須地区に属し、豊かな自然に恵まれています。

乙女の滝

那珂川支流の沢名川にある乙女の滝は、真夏でも冷たく、滝壺付近では水浴びを楽しむ観光客の姿が見られます。「乙女」の由来には、様々な伝説が残されています。

沼ッ原湿原

那珂川上流にある沼ッ原湿原は、亜高山植物や野生動物が生息する貴重な自然スポットです。木道が整備された遊歩道があり、トレッキングの拠点としても人気があります。ただし、冬季は閉鎖されます。

深山ダム

那珂川上流にある深山ダムは、沼原揚水発電所の下池としての機能も持つ多目的ダムです。

板室温泉は、歴史ある温泉地としての魅力と、周辺の豊かな自然が融合した、癒やしの空間を提供しています。

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