極超短波

極超短波の概要



極超短波（ごくちょうたんぱ）は、一般にUHF（Ultra High Frequency）と呼ばれ、300MHzから3GHzの周波数範囲の電波を指します。この電波の波長はおおよそ10cmから1mであり、デシメートル波とも言われます。極超短波は、その特性から様々な通信分野で広く利用されています。

伝播特性と活用方法



極超短波の電波は、電離層で反射されず、地表波の減衰が著しいため、直進性のある空間波を利用した短距離通信に特に適しています。この特性により、波長が短いため、アンテナの設計が容易になることから、移動通信の分野で非常に有用です。

例えば、以下のような用途で極超短波は活用されています：


日本における地上波テレビ放送



日本におけるUHFを使用した地上波テレビジョン放送は、470MHzから770MHzの範囲（チャンネル13から62ch）で行われています。1960年にアナログ放送の実験局が設立され、1963年から正式に放送が開始されました。デジタル放送は2003年からはじまり、アナログ放送は2012年までに完全に廃止され、470MHzから710MHzの範囲に集約されました。この際、710MHzから770MHzの範囲は携帯電話など、テレビの用途以外に転用されました。

UHFアンテナは特に横幅が小さく、小型化が容易です。このため、デジタル化に伴い、アナログ時代よりもずっと簡単にアンテナ工事が行えるようになりました。さらに、旧式のブースターを使っている場合は、新たな電波の転用による受信障害に注意が必要です。

音声による広告や名称



関東、中京、近畿地方の一部では、地元の独立放送局をUHFまたは独立U局と称することがありました。また、過去には1局だけの地域の民放局にUHFとの名残が見られ、特にテレビ静岡（SUT）やテレビ高知（KUTV）、テレビ宮崎（UMK）などがその象徴的な例です。さらに、テレビ神奈川（tvk）では「We are coming to you by Ultra-Hi-Frequency」というキャッチコピーCMも存在しました。

準マイクロ波帯



極超短波の中で、1GHzから3GHzの周波数を準マイクロ波帯と呼びます。この帯域は1980年代後半から活用され始め、特に移動体通信用の周波数として開発が進められました。新たな通信技術への対応として、1.5GHz帯が商業用に実際に採用されるようになっていますが、最近ではこの呼び名はあまり使われなくなりました。

アマチュア無線との関係



アマチュア無線においては、国際電気通信連合（ITU）の無線通信規則に基づいて、様々な周波数が業務に共用されています。日本におけるアマチュア無線の周波数帯については、各国のルールに従い設定されていますが、全ての国で均等に割り当てられているわけではありません。

まとめ



このように、極超短波は多様な通信手段で重要な役割を果たしており、その技術や利用方法は、時代と共に進化してきました。

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