沼間守一

沼間守一の生涯

沼間守一（1844年1月21日 - 1890年5月17日）は、幕末から明治時代にかけて活躍した人物です。幕臣、政治家、ジャーナリスト、実業家と、様々な顔を持っていました。その生涯は、激動の時代を象徴するかのようです。

生い立ちと幕府での活躍

1844年、江戸牛込にて幕臣の家に次男として生まれた沼間守一は、幼名を慎次郎と名付けられました。漢学を学んだ後、養父の仕事の関係で長崎に赴き、そこで英学や兵学を学びました。江戸に戻ってからは、幕府海軍で測量術を学びましたが、後に横浜のヘボン塾に入門し、西洋兵法を学ぶことを望みました。

幕府陸軍では、伝習兵募集に応じて入所。フランス式の軍事教練を受け、その能力を認められて昇進を重ねました。最終的には歩兵奉行並という役職にまで昇りつめ、多くの兵士の教練を任されました。

戊辰戦争では、幕府軍の一員として新政府軍と戦いましたが、捕縛され、一時幽閉されました。しかし、その後放免され、新たな道を歩むことになります。

新政府での活動と自由民権運動

放免後、沼間守一は英学指南所を開きますが、政府に疑われ一時捕縛されます。その後、板垣退助らの紹介で土佐藩邸にて兵士の指導にあたりました。廃藩置県後は、商人として生糸商などを営みますが、うまくいきませんでした。その後、大蔵省、司法省に出仕し、岩倉使節団の一員として欧州へ派遣されました。

帰国後、法律講習会を設立し、後の嚶鳴社を組織。自由民権運動に身を投じ、立憲改進党の結党にも深く関わりました。また、東京府会議員、東京府会議長も務めるなど、政治家としても活躍しました。

ジャーナリスト、実業家としての顔

沼間守一は、ジャーナリスト、実業家としてもその才能を発揮しました。『横浜毎日新聞』を買収し、『東京横浜毎日新聞』を創刊、社長として経営にあたりました。この新聞は、当時の政治情勢を伝える重要な役割を担い、沼間自身の政治活動の拠点ともなりました。

その後の人生

自由民権運動に尽力する中で、脳病を患い、晩年は病との闘いでした。1890年、肺炎を併発してこの世を去りました。その生涯は、常に時代の最先端を走り続け、激動の時代を生き抜いた証と言えるでしょう。

参考文献

石川安次郎『沼間守一』毎日新聞社、1901年。
時事通信社『三大言論人集 第三巻 福地桜痴・沼間守一』1962年。
小川恭一編『寛政譜以降旗本家百科事典』東洋書林 1997-1998年。

関連項目

幕府陸軍
* 明六社

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