津山文化センター

概要

岡山県津山市の中心市街地、風光明媚な鶴山公園（津山城跡）の北西側に隣接して立つ多目的ホールです。地域を代表する本格的な文化施設として、コンサート、演劇、講演会など、多様なイベントに利用されています。

建築

津山文化センターの建物は、1965年に完成したモダニズム建築の好例として知られています。設計は建築家の川島甲士氏が手掛けました。この建物の最も特徴的な点は、古来の社寺建築に見られる斗栱（ときょう）のような構造を彷彿とさせる、三層を支える独自の意匠です。
その建築的な価値は高く評価されており、1967年には日本建設業連合会が主催する第8回BCS賞を受賞しました。さらに、日本の近代建築の保存と活用を推進するDOCOMOMO JAPANによって、2005年度の「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」の一つにも選定されています。
開館から時を経て、耐震性の向上と施設の機能強化を図るため、2018年4月1日から2020年3月31日にかけて大規模な耐震補強および改修工事が実施されました。この改修を経て、2020年4月1日にリニューアルオープンし、装いを新たに利用者の迎え入れています。

建物の規模は、地下1階、地上3階建ての本館に加え、別棟1階で構成されています。建築面積は約3,180平方メートル、床面積は約5,618平方メートルです。構造は、主体が鉄筋コンクリート造り、一部に鉄骨造りが採用されています。所在地は岡山県津山市山下68番地です。

主要設備

大ホール

施設の中心となる大ホールは、様々な舞台芸術や催事に対応できるよう設計されています。客席数は合計1,003席あり、1階席824席（うち車椅子専用席2席）、2階席135席、3階席44席という内訳です。張り出し舞台を設置した場合は、客席数が926席となります。
舞台の間口は18メートル、高さ6.1メートル、奥行きは9.0メートルです。舞台機構としては、多様な吊物、音響効果を高める音響反射板、複数種の緞帳（舞台幕）、バトン、舞台照明用のサスペンションライトなどが整えられており、オーケストラの演奏会、演劇、舞踊公演、映画上映など、幅広いジャンルの公演が可能です。
楽屋は3室に加え、主催者向けの準備室も用意されています。

その他の施設

館内には、大ホール以外にも様々な用途に使える施設が整備されています。

会議室: 大規模なものから小規模なものまで、大会議室（約60名収容）や中会議室（約40名収容）、そして第1から第4までの会議室（各約16名収容）が複数あり、研修会や会議に利用できます。
和室: 2室設けられており、茶会や着付け教室などに適しています。
レッスン室: 壁一面に大型ミラーとバレエバーが設置され、床にはリノリウムが貼られています。ダンスや演劇などの練習に利用されています。
市民サロン: 2階の鶴山公園に面した角に位置する交流スペースです。円卓が配置されており、約8名程度が利用できる落ち着いた空間です。
屋外テラス: 鶴山公園を借景にした開放的な屋外空間です。
アートライブラリー: 3階の鶴山公園に面した角部屋にあり、主に展示目的で利用されます。展示用の什器や給湯室も備わっています。
* 展示・リハーサル室: 本館南側の別棟にあり、広さは242平方メートルです。展示スペースとしても、大規模なリハーサルにも対応可能です。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR姫新線または津山線の津山駅から徒歩でおよそ15分です。
路線バスを利用する場合は、ごんごバス（中鉄北部バス）または中鉄北部バスの「文化センター北口」または「山下（さんげ）」停留所で下車してください。

補足

開館当初に設置され、長年親しまれた1965年製のベーゼンドルファーピアノは、現在、アルネ・津山内のベルフォーレ津山に移設されています。現在の津山文化センターの常設ピアノは、ヤマハ製とスタインウェイ・アンド・サン製の2台が備えられています。

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