清輝

清輝 (せいき)

清輝は日本海軍において非常に重要な意義を持つ軍艦で、明治維新後の初の国産艦艇として1876年に横須賀造船所で建造されました。その名は「輝く清い光」を意味し、易経に記された「輝光日新其徳」に由来しています。

概要

清輝はフランス人技術者レオンス・ヴェルニーによって設計され、日本人の職工によって建造された艦です。この艦は、日本艦船として初めてヨーロッパへ遠征を果たした功績があります。1888年には触礁により破壊される運命を迎えましたが、その航海の歴史は今なお語り継がれています。

艦型と機関

清輝は3檣バ－ク型の砲艦またはスループに分類されます。機関においては、日本で製造された機関の中で初めて2段膨張式機械を備えており、ボイラーは片面戻火缶2基が設置されています。蒸気圧力は45ポンド/平方インチで、初期の試運転では回転数60rpmで速力8ノットを記録し、75rpmでは11.2ノットに達しました。

艦歴の詳細

建造から竣工まで

清輝の建造は、当初の計画から資材不足のため修正を受けつつ進み、結果として897トンの艦として完成しました。1873年には排水量800英トン、出力180馬力、大砲5門を持つ艦舶設計が命じられ、公式な起工は1875年の12月4日でした。1876年には、清輝は竣工し、以後の艦歴において目覚ましい活躍をみせます。

1870年代の活動

清輝は、1876年に行われた奥羽巡幸に参加し、護衛艦としての任務を果たします。その後も機関の修理や各地への回航を繰り返しながら、艦隊の一員としての役割を果たしました。特に1878年から1879年にかけてのヨーロッパ遠征はこの艦の歴史において重要なポイントとなります。

この遠征では、清輝が横浜を出港し、シンガポールやエジプト、そしてヨーロッパの各地を訪れる様子が記録されています。長い航海の末、清輝は無事に帰国し、日本における海軍の発展に寄与しました。

1880年代の運用

1881年には常備艦とされ、以降も様々な任務に使用されました。1882年には、中艦隊としての編成の一部に加わり、数々の演習や実地演習を通じて艦隊指揮官としての役割も果たしました。

最後の運命

1888年12月7日、清輝は駿河湾にて触礁し、その後に船体が破壊される大事故に遭います。この事件は、日本海軍にとっても大きな損失となりました。

艦長の変遷

清輝には複数の艦長が任命され、井上良馨少佐や磯辺包義少佐などが指揮を執りました。彼らの指導のもと、清輝は数々の歴史的な任務を遂行し、艦船の運用や兵士の訓練に貢献しました。

Conclusion

清輝の航海と歴史は、日本海軍の発展に不可欠なものであり、その活躍は今なお多くの人々に知られ続けています。初の国産軍艦として、数多くの艦艇の中でも特別な位置を占めていると言えるでしょう。

もう一度検索