漢人

漢人（かんじん）

漢民族としての漢人

漢人（かんじん）は、一般的に漢民族を指す言葉として用いられます。漢民族は、中国における主要な民族であり、その歴史は長く、文化も多様です。

金朝における漢人

金朝（12世紀初めから13世紀初めにかけて中国北部を支配した王朝）の支配下では、漢人という言葉は、漢民族の集団を分類する際に用いられました。金朝は、旧北宋の占領地域に住む人々を南人と呼び、それに対して、燕雲十六州（現在の北京周辺地域）出身者など、遼の遺民を漢人・北人と呼びました。この分類は、支配体制を維持するための政策の一環として行われました。

元朝における漢人

元朝（13世紀後半から14世紀後半にかけて中国を支配したモンゴル帝国の王朝）の支配下でも、漢人は人間集団を分類する言葉として用いられました。元朝は、支配下の人間を蒙古人、色目人、漢人、南人に分けました。このうち、漢人は金朝の遺民を指し、漢民族だけでなく、女真族や契丹族も含まれていました。元朝は、民族ごとに異なる扱いをすることで、支配を安定させようとしました。

漢人（あやひと）

日本における漢人

日本における漢人（あやひと）は、中国系の帰化氏族を指します。彼らは、漢氏に属し、漢部を統率しました。漢人の由来については、以下のような説話があります。

後漢が滅亡した際、後漢の朝鮮植民地であった帯方郡に移住した阿知使主が、旧居である帯方郡（高句麗と百済の間）には才能に長けた人々が多いので、連れて帰りたいと申請しました。その結果、村落を挙げて連れ帰った人々が、漢人であるとされています。

この説話は、漢人が日本に渡来した背景を説明する上で重要な役割を果たしています。漢人は、日本に渡来した後、様々な分野で活躍し、日本の文化や社会に大きな影響を与えました。例えば、遣隋使に参加した高向漢人玄理（たかむこのあやひとくろまろ）は、その代表的な一人です。

高向玄理

高向玄理は、遣隋使として中国に渡り、隋の文化や制度を日本に持ち帰る上で重要な役割を果たしました。彼の活躍は、日本の歴史において特筆すべきものがあります。

漢人（かんど）

日本の希少姓としての漢人

漢人（かんど）は、日本における希少な名字の一つです。この名字を持つ著名人として、東京都議会議員の漢人明子がいます。名字の由来については、詳しいことは分かっていません。

まとめ

このように、漢人という言葉は、その文脈によって異なる意味を持ちます。漢民族を指す場合、中国王朝における支配下の人間集団を分類する場合、日本における帰化氏族を指す場合など、歴史的な背景や文化的な背景を理解することで、より深くこの言葉を理解することができます。

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