瀬戸内海歴史民俗資料館

瀬戸内海歴史民俗資料館：瀬戸内海の文化と歴史を伝える博物館

香川県高松市五色台山上という風光明媚な場所に佇む瀬戸内海歴史民俗資料館は、瀬戸内海とその周辺地域の民俗文化を専門とする県立博物館です。1973年の開館以来、地域の歴史と文化を伝える貴重な資料を収集・保管し、研究・展示活動に力を入れています。

貴重な文化財の数々

本館が所蔵する資料の価値の高さが認められ、既に複数のコレクションが国の重要有形民俗文化財に指定されています。「瀬戸内海及び周辺地域の漁撈用具」(2,843点)、「瀬戸内海の船図及び船大工用具」(2,813点)、「西日本の背負運搬具コレクション」(310点)といった、瀬戸内海の暮らしや文化を深く理解する上で欠かせない資料が、未来へと受け継がれています。現在、博物館の建物自体も国の重要文化財への指定が答申されており、近いうちに正式指定される見込みです。

多彩な展示内容

資料館では、瀬戸内海の豊かな歴史と文化を多角的に紹介する展示が展開されています。主な展示テーマとしては、以下のものがあげられます。

瀬戸内海の漁業：古くから栄えた瀬戸内海の漁業を支えた伝統的な漁法や漁具、そして漁師たちの生活文化を紹介。
島々の暮らし：島嶼部特有の生活様式や文化、人々の工夫と知恵が凝縮された暮らしぶりを展示。
船大工と海運：瀬戸内海の交易を支えた船大工の技術や、廻船による海運の様子を伝える貴重な資料を展示。
讃岐三白：香川の自然環境に恵まれ育まれた砂糖、綿、塩（讃岐三白）に関する資料を通して、地域の産業発展の歴史をたどります。
水利用と農業：ため池など、水資源の利用技術や、稲作を中心とした農業に関わる道具や技術を紹介。
祭りや芸能：地域に根付く伝統的な祭りや芸能に関する資料を通して、人々の信仰や文化交流の様子を伝えます。

展示内容の詳細は、公式サイト「瀬戸内海歴史民俗資料館｜展示」で確認できます。

優れた建築デザイン

資料館の建物自体も、建築史において高い評価を得ています。1974年には日本建築学会賞を受賞し、1998年には公共建築百選、2013年にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれています。設計は山本忠司氏（香川県建築課）、構造設計は木村俊彦氏によって担われ、RC造、平家一部中2階建て、敷地面積45,094㎡、建築面積3,003㎡、延床面積3,275㎡の規模を誇ります。

アクセスと開館情報

開館時間は9:00～17:00（入館は16:30まで）、休館日は月曜日（月曜日が祝日の場合は翌火曜日）、年末年始（12月29日～1月3日）です。観覧料は無料です。駐車場は普通車30台、大型バスも駐車可能です。

アクセスは、JR四国予讃線高松駅、坂出駅から車で約25～30分、高松自動車道高松檀紙IC、瀬戸中央自動車道坂出北ICから車で約30分、坂出ICから約35分です。

周辺情報

資料館周辺には、白峰寺や根香寺といった歴史的建造物も点在しており、合わせて訪れるのもおすすめです。

瀬戸内海の豊かな歴史と文化に触れる絶好の機会となる瀬戸内海歴史民俗資料館。香川県を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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