瞳の住人

概要

「瞳の住人」は、L'Arc〜en〜Cielが2004年3月3日にリリースした23枚目のシングルです。前作「READY STEADY GO」から約1ヶ月後に発売され、同月に発売された9thアルバム『SMILE』の先行シングルとなっています。

表題曲「瞳の住人」は、弦楽器や鍵盤楽器を大きくフィーチャーした、クラシカルなバラードナンバーです。作曲を担当したtetsuyaは、この曲が表題曲に選ばれた理由について、レコード会社からの強い要望があったことを明かしています。また、kenはこの曲と「READY STEADY GO」がアルバムに先駆けてシングルとしてリリースされたことについて、アルバムの多様性を示すための良い選曲だったと語っています。なお、tetsuyaは自身のソロ活動でこの曲を頻繁にセルフカバーしており、特に2017年のソロライブでは、会場名にちなんでこの曲を演奏したことが話題になりました。

この曲は、L'Arc〜en〜Cielのファンからの人気が非常に高く、音楽情報サイトの企画や音楽番組の企画で、多くのアーティストや音楽関係者から高い評価を受けています。また、海外ではシンガポールの歌手、シルベスター・シムによってカバーされています。

カップリングには、メンバーがそれぞれメインボーカルを担当した「READY STEADY GO」のセルフカバーが収録されています。hyde以外のメンバーがメインボーカルを務めるという珍しい試みで、メンバーそれぞれの個性が際立つカバーとなっています。この企画は、hydeの何気ない一言から始まったもので、tetsuyaはスタッフが話を膨らませたと語っています。ボーカルのレコーディングは、じゃんけんで順番を決め、tetsuya、ken、yukihiroの順に行われました。このレコーディングの様子は、アルバム『SMILE』の初回限定盤DVDに収録されています。メンバーはそれぞれフルコーラスを歌い上げており、hydeは3人の歌唱を聴いて、その出来栄えに驚いたと語っています。

リリース

本作は、通常盤CDの1形態でリリースされ、初回限定仕様はスーパーピクチャーレーベルとなっています。初回限定特典として、IDナンバー入りフォトカードが封入されました。当初はCCCDで販売されましたが、2005年10月26日にCD-DAで再発売されています。

オリコン週間シングルチャートでは、初登場1位を獲得し、前作「READY STEADY GO」に続き、3作連続通算12作目の首位となりました。

ミュージックビデオ

表題曲「瞳の住人」のミュージックビデオは、竹内スグルが監督を務めました。壊れたシャンデリアや楽器などが徐々に復元されていく様子が描かれ、最後にメンバーが現れるという演出になっています。このミュージックビデオは、2007年に発売されたクリップ集『CHRONICLE 3』に初収録され、2022年からはYouTubeで無料公開されています。

収録曲

1. 瞳の住人
2. READY STEADY GO (ken READY)
3. READY STEADY GO (tetsu READY)
4. READY STEADY GO (yukihiro READY)

楽曲解説

瞳の住人

作詞: hyde / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano

この曲は、弦楽器や鍵盤楽器を大きくフィーチャーした、クラシカルなバラードナンバーです。実は2001年に発表されたベストアルバム『Clicked Singles Best 13』に新曲として収録された「Anemone」のレコーディングと同時期に、オケ録りが終わっていた楽曲でした。kenによると、ボーカル録音とミックスを待つ状態で保管されていたとのことです。

この曲は、ギター、ベース、ドラムといった基本的なロックバンドのサウンドに加えて、パーカッション、ストリングス、ピアノ、シンセサイザーなど、様々な楽器が使用されています。また、ギターは3本、ベースは2本重ねて録音されています。

リリースにあたっては、2001年の音源を録り直すことも検討されましたが、最終的には2001年の音源を多く採用することになりました。kenは、その理由について「当時、色々なアイデアを詰め込みすぎて、何を入れたか分からなくなっていたから」と語っています。また、「『SMILE』はストレートなアルバムなので、この曲で変化を見せてもいいと思った」とも述べています。yukihiroは、曲の雰囲気を重視し、ドラムの音量を下げて欲しいと進言したそうです。

tetsuyaは、この曲のサビのメロディーを夢の中で思いついたと語っています。また、他のアーティストから「Pieces」のような曲を求められることが多く、それらを超えるものを作りたかったとも述べています。弦編曲には、デヴィッド・キャンベルが参加しています。

hydeは、この曲の歌詞について「目標に向かって進む難しさや、寄り道することもある」といったテーマで書いたと語っています。また、歌詞に「首輪」という単語を入れたのは、リアリティを重視したからだと述べています。

この曲は、L'Arc〜en〜Cielの楽曲の中でも非常にキーが高く、サビのキーの高さに、hydeよりも周りのスタッフの方が驚いたそうです。hydeは「みんながそこに耳を傾けるということは、それだけキャッチーだということ」と述べています。

READY STEADY GO (ken READY)

作詞: hyde / 英語訳詞: Lynne Hobday / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano

22ndシングル「READY STEADY GO」の表題曲のkenによるカバーです。kenは、ボーカル録りを振り返り「S.O.A.Pやっといて良かった」とコメントしています。hydeは、kenのボーカルの成長ぶりに感銘を受けたと語っています。カバーでは、間奏部分の「Are you ready?」というフレーズを「kenで～す」と言っています。

READY STEADY GO (tetsu READY)

作詞: hyde / 英語訳詞: Lynne Hobday / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano

22ndシングル「READY STEADY GO」の表題曲のtetsuyaによるカバーです。tetsuyaは、作曲者としてきちんと歌わなければと思ったとコメントしています。

READY STEADY GO (yukihiro READY)

作詞: hyde / 英語訳詞: Lynne Hobday / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano

22ndシングル「READY STEADY GO」の表題曲のyukihiroによるカバーです。yukihiroは、冒頭の「Are you ready？」をコーンのように言おうかと思ったと語っています。hydeは、yukihiroの歌い回しに、この曲の新たな可能性を感じたとコメントしています。

タイアップ

瞳の住人

エクシング「ポケメロJOYSOUND」CMソング
江崎グリコ「Mousa」CMソング（中国）

参加ミュージシャン

hyde：Vocal
ken：Guitar
tetsu：Bass
yukihiro：Drum

瞳の住人

デヴィッド・キャンベル：Strings Arrangement
富樫春生：Acoustic Piano
tetsu：Keyboard, Six Strings Bass
岡野ハジメ：Keyboard
斎藤仁：Keyboard & Manipulate

カバー

シルベスター・シム （2004年、曲題「Yan Mou De Zhu Ke」として）

収録アルバム

オリジナルアルバム

『SMILE』 (#1)

ベストアルバム

『TWENITY 2000-2010』 (#1)
『WORLD'S BEST SELECTION』 (#1)

参考文献

『R&R NewsMaker』、ぴあ、2004年4月号No.181
* 『B=PASS』、シンコー・ミュージック、2004年5月号

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