知来乙駅

知来乙駅（ちらいおつえき）は、北海道樺戸郡月形町に位置していたJR北海道札沼線（学園都市線）の廃駅です。駅番号は▲130210で、その歴史は1958年7月1日に国鉄札沼線の駅として開業したことに始まります。当初から無人駅であり、駅員は配置されていませんでした。1987年の国鉄分割民営化に伴いJR北海道に継承され、1991年には札沼線に「学園都市線」の愛称が設定されました。

1996年3月には、石狩当別駅（現在の当別駅）から新十津川駅の間でワンマン運転が開始され、2000年には桑園駅 - 石狩月形駅間に自動進路制御装置（PRC）が導入されるなど、近代化が進められました。しかし、利用者の減少や路線の状況を鑑み、2020年4月17日の新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言に伴う全列車運休措置をもって実質的な最終営業日となり、同年5月7日に北海道医療大学駅 - 新十津川駅間が廃止された際に、その歴史に幕を閉じました。

駅名の由来は、所在地名から来ており、アイヌ語の「チライオッ（ciray-ot）」（イトウ・多くいる）が転訛したものとされています。また、アイヌ語研究者の山田秀三は、「チライオッナイ(ciray-ot-nay)」の”nay”（川）が省略された形と考察しています。

駅構造は、単式ホーム1面1線を有する地上駅で、石狩当別駅が管理する無人駅でした。木造の待合室が設置されており、利用者を迎えていましたが、2020年5月7日の廃止に伴い、駅名標が撤去されました。

利用状況は、2011年から2015年の乗降人員調査では平均10名以下、2012年から2019年の乗車人員調査では平均4〜5名程度と、非常に少なくなっていました。これらのデータからも、駅の利用が著しく減少していたことが伺えます。

駅周辺は農村地帯であり、民家が数軒点在する程度で、目立った商業施設はありませんでした。国道275号と北海道道11号月形厚田線が近くを通っており、新篠津村営バスの「知来乙入口」停留所が利用可能でしたが、当駅廃止に伴う代替バス停留所は設置されていません。

隣の駅は、札沼線（学園都市線）において、月ヶ岡駅と石狩月形駅でした。知来乙駅は、地域住民にとって重要な交通手段でしたが、廃止されてしまった今、その痕跡は薄れつつあります。

参考情報

駅構造: 単式ホーム1面1線
管理: 石狩当別駅
駅舎: 木造待合室
隣接駅: 月ヶ岡駅 - 知来乙駅 - 石狩月形駅
代替交通: 新篠津村営バス「知来乙入口」停留所（代替バスなし）

関連リンク
知来乙｜駅の情報検索（時刻表・バリアフリー）｜駅・鉄道・旅行｜JR北海道- Hokkaido Railway Company

駅の廃止は、地域における交通手段の変化や、利用者の減少といった社会状況を反映しています。知来乙駅の歴史は、地域鉄道の変遷を物語る一例として、記憶されるでしょう。

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