石打ダム

石打ダム（熊本県宇城市）

石打ダムは、熊本県宇城市三角町大字中村に位置し、二級河川である波多川水系の八柳川に建設された重力式コンクリートダムです。堤高は38.5m。波多川総合開発計画の一環として、水害の防止と水資源の確保を目的として建設されました。八柳川は周辺の地形から選ばれましたが、流量が少ないため、隣接する波多川に取水堰を設け、導水トンネルを通じてダムへ水を供給しています。

沿革

波多川下流域は、過去に何度も豪雨による水害に見舞われてきました。特に1972年の昭和47年7月豪雨では甚大な被害が発生しました。また、波多川は農業用水として利用されている一方で、旧三角町では地下水を水道用水として利用していましたが、水不足が深刻化し、1978年には大渇水が発生しました。

波多川は河川の疎通能力が低いため、水害対策として河川の拡幅が検討されましたが、流域には田畑が広がっており、拡幅は困難と判断されました。そのため、農業用水と水道用水の確保を目的として、ダムの建設が決定されました。熊本県は1975年から調査を開始し、1979年に実施計画調査を実施、1984年に建設に着手しました。

周辺

ダム周辺は公園として整備されており、魚釣りなどのレクリエーションを楽しめます。堤頂の道路は右岸と左岸を結んでおり、両岸には駐車場や案内板、公衆トイレが点在しています。右岸のダムサイト近くには石打ダム資料館があり、ダムに関する情報を学ぶことができます。資料館内には、ダムサイトを展望できるスペースも設けられています。石打ダム管理所と石打ダム資料館は、くまもとアートポリス参加プロジェクトとして、特徴的なデザインが採用されています。

石打ダムへは、JR三角線石打ダム駅から約1.4kmの距離にあり、駅からダムまでの道路は九州自然歩道の一部となっています。自動車でのアクセスは、国道266号の戸馳大橋付近にある案内板から約5kmです。

建築概要

石打ダム資料館

設計: 入江経一
竣工: 1993年
敷地面積: 1,481m2
建築面積: 520m2
延床面積: 455m2
構造: RC造, S造
規模: 地上2階
所在地: 宇城市三角町大字中村字八久保3629-2
受賞:

石打ダム管理所

設計: 青木茂
竣工: 1991年
敷地面積: 632m2
建築面積: 179m2
延床面積: 270m2
構造: RC造
規模: 地上2階
所在地: 宇城市三角町中村
受賞:

参考資料

『石打ダム工事誌』：熊本県土木部河川課編。熊本県 1993年
『ダム便覧 2006』：日本ダム協会。2006年

関連項目

ダム
日本のダム
重力式コンクリートダム
多目的ダム
石打ダム駅
くまもとアートポリス

外部リンク

ダム便覧（財団法人日本ダム協会） 石打ダム
三角町商工会 石打ダムと資料館
宇城市 石打ダム親水公園
宇城市 石打ダム資料館
くまもとアートポリス 石打ダム管理所
くまもとアートポリス 石打ダム資料館

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