磯子

横浜市 磯子区磯子地区の詳細解説

磯子（いそご）は、横浜市磯子区の北部に位置する町名で、一丁目から八丁目までが存在します。本稿では、区制施行後に旧磯子町から分離した磯子台（いそごだい）についても併せて解説します。これらの地域は住居表示が実施されており、磯子の歴史、地理、文化、経済など、多岐にわたる側面を詳しく見ていきましょう。

歴史

江戸時代、磯子は磯子村として知られていました。『新編武蔵風土記稿』には、江戸日本橋から海路と陸路で10里の距離にあり、家屋は85軒と記録されています。天保郷帳によると、石高は約326石でした。

明治時代以降の発展

1870年には人工河川である堀割川の建設が始まり、1874年に竣工しました。1873年には、現在の久木町に小学真照学舎（後の横浜市立磯子小学校）が開校しました。1908年には、現在の磯子1丁目に禅馬ウォルクス（後のバブコック日立）が操業を開始し、工業化の波が押し寄せました。

交通網の整備

1912年には横浜市電が開通し、1925年には磯子まで延伸。これにより、磯子の交通の便が向上しました。1927年には区制が施行され、磯子区が誕生し、磯子町となりました。

戦前・戦後の変遷

1937年には東伏見邦英伯爵の磯子別邸が竣工し、1940年には横浜市磯子区尋常高等小学校分教場（後の横浜市立浜小学校）が開校しました。戦後には、久木町に浜マーケットが誕生し、1954年には旧東伏見邦英伯爵別邸が横浜プリンスホテルとして開業しました。1963年には、磯子町の一部が汐見台となり、浜小学校が現在の磯子台に移転しました。

現代の磯子

1964年には国鉄根岸線が開通し、磯子の交通の要としての地位が確立。1965年には磯子町の北部が広地町・久木町に分離し、東部が磯子一～三丁目となりました。1967年には磯子区役所が浜小学校跡に移転。1974年には磯子センターが開館。1983年には磯子町が磯子四～八丁目と磯子台に再編されました。1990年代には横浜プリンスホテルの新館がオープンし、バブコック日立の工場が閉鎖されました。2000年代には、横浜プリンスホテルが閉館し、磯子一丁目に「磯子・海の見える公園」が開園しました。2010年には磯子中央病院が移転しました。

概要

磯子一～三丁目

この地域は国道357号と磯子旧道に挟まれており、JR根岸線、磯子産業道路、国道16号が通っています。かつては根岸湾に面しており、潮干狩りのできる海水浴場がありましたが、埋め立てにより海岸線は変化しました。埋め立ては安藤庄太郎の援助を受けた葦名金之助によって行われ、以前は屏風浦の崖が海岸沿いに迫っていた場所が大きく変化しました。この地域は戦前から昭和30年代にかけて花街として賑わいましたが、埋め立てや接待の場が変化したことで衰退しました。安藤・葦名両氏の名は安藤橋・芦名橋に残っています。

埋立地と堀割川の間は、横浜市電気局によって電車工場等の用地として埋め立てられ、その後、八幡橋警察署や磯子区役所が建てられました。磯子二丁目より海側は1960年代に埋め立てられ、新磯子町となりました。現在は磯子一丁目のヨットハーバー付近のみが海に接しています。

磯子一丁目にはかつてバブコック日立と日本発条の工場がありましたが、それぞれ閉鎖・移転しました。跡地の一部はショッピングセンター「マリコム磯子」となり、もう一部は磯子・海の見える公園として開放されています。国道16号沿いには磯子警察署と磯子消防署があります。以前は消防署が警察署の隣に、区役所が現在の消防署の位置にありました。

磯子駅周辺

久木町には「浜マーケット」、中浜町には横浜銀行とりそな銀行の磯子支店があり、八幡橋・浜バス停に近いこの近辺が行政・経済の中心でしたが、1964年の根岸線開通後は区役所が磯子駅近くに移転しました。磯子駅を見下ろす丘の上には横浜プリンスホテルがありましたが、2006年に閉業し、現在は分譲マンションとなっています。旧東伏見宮邦英伯爵別邸は横浜市認定歴史的建造物として残っています。

二・三丁目の根岸線より海側の地区は、土木事務所、水道局、町工場などが立ち並んでいましたが、2000年代に入りマンションや葬祭式場が建設されました。

地価

2023年1月1日の公示地価によると、磯子7-16-9の地点で16万6000円/m2、磯子台21-27の地点で22万4000円/m2となっています。

磯子四～八丁目、磯子台

この地域は丘陵地帯の住宅地であり、一戸建てが中心ですが、大型集合住宅も建設されています。

世帯数と人口

磯子と磯子台の世帯数と人口については、横浜市の発表に基づいて詳細なデータが提供されています。

学区

市立小・中学校の学区については、詳細な情報が提供されています。

事業所

経済センサス調査による事業所数と従業員数についても、詳細なデータが提供されています。

交通

磯子三丁目の南端はJR根岸線磯子駅の駅前広場に接しており、磯子一丁目は根岸駅から徒歩圏内です。国道16号には横浜市営バスや京浜急行バスが運行し、磯子産業道路や磯子旧道には神奈川中央交通バスが走っています。

磯子に縁のある著名人

磯子には美空ひばり、ゴダイゴ、飛鳥田一雄など、多くの著名人が縁を持っています。

その他

日本郵便の集配担当郵便局と郵便番号、警察の管轄区域、記念碑などについても、情報が提供されています。

参考文献

磯子区制80周年記念誌、県別マップル、角川日本地名大辞典、根岸湾の埋立て、新編武蔵風土記稿など、多くの参考文献に基づいています。

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