秋田市大森山動物園

秋田市大森山動物園

秋田市大森山動物園は、秋田県秋田市浜田にある市立動物園です。愛称の「ミルヴェ」で親しまれ、市民や観光客に人気のスポットとなっています。

歴史

1973年9月1日に大森山公園内に開園しました。その前身は、1950年に千秋公園内に開設された県立児童会館付属児童動物園です。その後、秋田市に移管され秋田市児童動物園となりましたが、大森山への移転に伴い閉園しました。

2006年1月1日には大森山動物園条例が施行され、現在の運営体制となっています。約15ヘクタールの園内には、多種多様な動物たちが飼育されており、その数は2020年11月現在で93種類、597点にのぼります。2015年には年間入園者数が28.5万人を記録し、累計入園者数は1000万人を突破しました。

特徴

当園は、旭山動物園に代表される「行動展示」を取り入れている点が大きな特徴です。動物たちの自然な生態を観察できるよう、様々な工夫が凝らされています。

例えば、「チンパンジーの森」では、高い支柱とロープを使ってチンパンジーの樹上生活を再現しています。また、「ビーバーのおうち」や「プレーリードッグのお立ち台」など、飼育員が手作りした展示施設も人気です。

2007年には「わぉ！バルコニー」が完成し、来園者の頭上をワオキツネザルが走り抜ける様子が見られるようになりました。毎日開催される「まんまタイム」では、動物たちが食事をする様子を間近で観察できます。ライオンやアムールトラがジャンプして餌を捕らえたり、チンパンジーが竹竿を使ってリンゴを落とすなど、迫力満点の光景が楽しめます。

また、動物によっては来園者が餌やり体験も可能です。サルやラクダは毎日、ペンギンとキリンは土日祝日に体験できます。詳細な情報は、正面ゲート付近の案内板や公式ホームページで確認できます。

愛称とマスコット

「ミルヴェ」の愛称は、2006年に公募により制定されました。開園40周年にあたる2013年には、秋田公立美術工芸短期大学の学生によって制作されたロゴマークとマスコットキャラクター「オモリン」が発表されました。

2015年には秋田銀行が命名権を取得し、2016年から2019年までは「大森山動物園〜あきぎんオモリンの森〜」という名称が使用されていました。

他の施設との連携

秋田県立男鹿水族館と鶴岡市立加茂水族館との連携事業も行っており、地域活性化に貢献するため、東北の日本海に面した水族館と交流活動を行っています。

代表的な動物

アミメキリン

かつては、義足のキリン「たいよう」が有名でした。「たいよう」は2002年に亡くなりましたが、園内にはパネル展示やオブジェ、遊園地のジェットコースターなど、様々な場所にその名残を見ることができます。

2007年には、キリンの赤ちゃん「ひまわり」が誕生しましたが、同年12月にストレスが原因で亡くなりました。その後、盛岡市動物公園から雌のキリン「リンリン」を迎え、現在は1頭のキリンが飼育されています。

その他の動物

アフリカゾウ、レッサーパンダ、チンパンジー、ユキヒョウ、ニホンイヌワシなど、人気の動物たちが飼育されています。ニホンイヌワシは2006年に同じ母鳥から3羽が孵化し、全て生育するという国内初の事例となりました。

沿革

1950年（昭和25年）10月 - 秋田市上中城町の千秋公園に「秋田県児童会館付属動物園」として開園。
1953年（昭和28年）4月1日 - 秋田県から秋田市に移管し、「秋田市児童動物園」に名称変更。
1970年（昭和45年）10月19日 - ライオンが逃走後、千秋公園内で射殺。
1973年（昭和48年）9月1日 - 秋田市浜田の現在地に移転。
1974年（昭和49年） - ニホンアナグマの国内初の繁殖に成功。
1978年（昭和53年） - 国内で初めてメンフクロウの繁殖に成功。
1981年（昭和56年） - 「サル山」が完成。
1990年（平成2年） - 国内で初めてセグロジャッカルの人工保育に成功。
1994年（平成6年） - 国内で初めてホンドテンの繁殖に成功。
1995年（平成7年） - 国内で初めてアネハヅルの人工授精に成功。
2002年（平成14年） - 「チンパンジーの森」が完成。
2003年（平成15年） - 「王者の森」が完成。
2006年（平成18年）
1月7日 - 土曜・日曜・祝日に限り試験的に冬期開園。
3月7日 - 愛称を「ミルヴェ」に決定。
2007年（平成19年）
3月31日 - 研修ホール「ミルヴェ館」が開館。
6月18日 - 大森山遊園地を運営していた浜田観光が経営不振のため閉鎖。
2008年（平成20年）
4月1日 - 大森山遊園地の経営を豊永産業が継承し、「ANIPA」（アニパ）として営業再開。
4月26日 - 動物健康管理センター「森のびょういん」が完成。
2009年（平成21年）4月18日 - 園内草食動物のゾーン内に大型遊具「アソヴェの森」オープン。
2011年（平成23年）5月4日 - 現在地に移転してからの入園者数が900万人に到達。
2014年（平成26年）7月24日 - ビジターセンターがオープン。
2015年（平成27年）
2月19日 - 高木美保が名誉園長に就任。
3月21日 - 現在地に移転してからの入園者数が1000万人に到達。
2016年（平成28年）3月19日 - 命名権導入により、「大森山動物園～あきぎんオモリンの森～」の名称を使用開始。
2023年（令和5年）
3月17日 - 高木美保が名誉園長を退任。
3月18日 - 開園50周年の記念モニュメントを披露。
4月30日 - 遊園地（アニパ）内に観覧車「フルール」がオープン。

アクセス

鉄道: JR羽越本線新屋駅から徒歩約20分
路線バス: 秋田駅西口7番乗り場、または西部サービスセンター2番乗り場から秋田中央交通バス712系統「西部SC・大森山動物園行き」終点下車（開園日のみ運行）
* 自家用車: 国道7号（秋田南バイパス）「浜田こ道橋」から秋田県道65号寺内新屋雄和線へ分岐し、約5分

まとめ

秋田市大森山動物園は、動物たちの自然な姿を観察できる工夫が凝らされた動物園です。様々なイベントや体験プログラムも開催されており、大人から子供まで楽しめます。秋田を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

もう一度検索