稲荷山

稲荷山：全国各地に広がる地名と山の名称

日本には、数多くの山や地域に「稲荷山」という名前が付けられています。その多くは、穀物豊穣や商売繁盛の神様として信仰を集める稲荷神に由来しています。本記事では、全国各地にある「稲荷山」について、その地理的特徴や歴史的背景などを詳しく解説します。

山としての稲荷山

「稲荷山」を名乗る山は、全国各地に点在しており、標高や地形は様々です。青森県から始まり、岩手県、秋田県、茨城県、栃木県、長野県、静岡県、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、和歌山県、島根県、岡山県、香川県と、広い範囲に渡って分布しています。

例えば、京都府京都市伏見区の稲荷山は、世界的に有名な伏見稲荷大社の神体山として知られ、多くの観光客が訪れます。標高233mと、稲荷山の中でも比較的高く、東山三十六峰の一つにも数えられています。一方、青森県北津軽郡中泊町にある稲荷山は、標高わずか30mと、規模の差が顕著です。このように、地域によって山の規模や形状は大きく異なりますが、いずれも地域住民にとって重要な場所であると言えるでしょう。

主な稲荷山の例:

青森県: 標高30mと低い山。
岩手県（盛岡市）: 複数の稲荷山が存在し、標高は233mと322m。周辺にはゴルフ場などもあります。
秋田県: 由利本荘市と羽後町の境に位置する、標高324mの山。
茨城県: 標高461mと、比較的高い稲荷山。
長野県: 標高750mと、高い稲荷山。
その他: 静岡県、愛知県、滋賀県、大阪府、和歌山県（2箇所）、島根県、岡山県（2箇所）、香川県などにも存在。

地名としての稲荷山

「稲荷山」は地名としても広く用いられており、神社や公園、駅などの名称に用いられる例が多く見られます。埼玉県狭山市、千葉県成田市、長野県千曲市、岐阜県岐阜市など、様々な地域に「稲荷山」という地名が存在します。

特に、長野県千曲市稲荷山は、かつての更級郡稲荷山町として栄え、善光寺街道の宿場町として歴史的にも重要な場所です。現在でも、地域のシンボルとして、人々の生活に密着した地名として残っています。

寺院の山号としての稲荷山

「稲荷山」は、寺院の山号（山号は、寺院の所在地を示す名称、または寺院の開祖や由緒を示す名称）としても用いられています。浄妙寺（神奈川県鎌倉市）、龍光寺（四国八十八箇所霊場）、松吟寺（茨城県常陸大宮市）など、複数の寺院が「稲荷山」を山号としています。

その他の「稲荷山」

慶應義塾大学三田キャンパス内にも「稲荷山」という地名が存在します。これは、かつて島原藩中屋敷があった場所で、現在では三田演説館が建っています。また、京都府伊根町で行われる伊根祭では、「稲荷山」という名の船屋台が登場します。さらに、全国各地に「稲荷山古墳」も点在しています。これらの「稲荷山」は、山や地名とは異なる意味合いで用いられています。

まとめ

「稲荷山」という名称は、山、地名、寺院の山号など、様々な文脈で使われ、その意味合いも多様性に富んでいます。それぞれの「稲荷山」には、固有の歴史や文化、そして地域住民の思いが込められています。本記事では、その多様な「稲荷山」の一端を紹介しました。より詳細な情報は、それぞれの地域の資料などを参照ください。

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