稲荷山町

稲荷山町（いなりやままち）

概要

稲荷山町は、かつて長野県更級郡に存在した町です。現在の千曲市大字稲荷山および桑原地区にあたります。町の区域は、小坂山、篠山、高雄山といった山々に囲まれ、千曲川や佐野川などの河川が流れる自然豊かな地域でした。特に千曲川と佐野川は、それぞれ屋代町と八幡村との境界線を形成しており、地形的にも特徴のある場所でした。

地理

稲荷山町は、以下の山と河川に囲まれた地域でした。

山: 小坂山、篠山、高雄山
河川: 千曲川、佐野川

千曲川は屋代町との、佐野川は八幡村との境界をなしており、自然が地域を隔てていたことが分かります。

歴史

稲荷山町の歴史は、明治時代の町村制施行から始まり、昭和の合併を経て消滅しました。以下にその変遷を記します。

1889年（明治22年）4月1日: 町村制の施行により、更級郡稲荷山町として単独で自治体を形成しました。
1955年（昭和30年）4月1日: 桑原村と新設合併を行い、稲荷山桑原町が発足しました。この合併により、地域が拡大しました。
1955年（昭和30年）12月1日: 稲荷山桑原町が稲荷山町に名称を戻しました。これは、地域住民の意向を反映したものでしょう。
1959年（昭和34年）6月1日: 八幡村、埴科郡埴生町、屋代町と新設合併を行い、更埴市が発足しました。これにより稲荷山町は廃止され、その歴史に幕を閉じました。この合併は、より広域的な行政を行うためのものでした。

交通

稲荷山町には、鉄道駅は存在しませんでした。しかし、町内を日本国有鉄道篠ノ井線が通過しており、交通の便は比較的良い地域でした。最寄りの駅は、隣接する篠ノ井市（現在の長野市）にあった稲荷山駅でした。また、道路に関しては、谷街道（現在の国道403号）が町内を通っていました。この道路は、古くから地域間の交流を支える重要な役割を果たしていました。

鉄道: 町内には駅は設置されていませんでしたが、日本国有鉄道篠ノ井線が通過していました。最寄りの駅は篠ノ井市（現・長野市）の稲荷山駅でした。
道路: 谷街道（現・国道403号）が町内を通過していました。現在、旧村域には長野自動車道が通っていますが、当時は未開通でした。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』20 長野県、角川書店、1990年7月。ISBN 4040012003。

関連項目

長野県の廃止市町村一覧
* 稲荷山宿

稲荷山町は、その短い歴史の中で、合併や名称変更を経験し、最終的には更埴市の一部となりました。しかし、その地域には、今もなお稲荷山という地名が残り、歴史を伝えています。鉄道こそ通っていませんでしたが、交通の要所として、また地域間の交流拠点として重要な役割を果たしました。

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