紅茶キノコ

紅茶キノコ（コンブチャ）とは

紅茶キノコは、東モンゴルを原産とする発酵飲料です。紅茶に砂糖を加えて微生物群を培養することで作られます。日本では「紅茶キノコ」として知られていますが、欧米では「コンブチャ（Kombucha）」と呼ばれ、健康飲料として広く販売されています。

歴史

紅茶キノコの歴史は古く、東モンゴルで生まれた後、シベリアで広く飲まれるようになりました。日本では昭和50年（1975年）に『紅茶キノコ健康法』という書籍が発行されたことをきっかけに、健康[[食品]]としてブームを巻き起こしました。家庭でも培養が可能であったため、口コミで広まりましたが、適切な管理方法が知られておらず、ブームは短期間で終息しました。

その後、欧米やオーストラリアでコンブチャとして再評価され、健康飲料として人気を集めました。マンゴー味、ストロベリー味、ローズヒップ味など、様々なフレーバーの製品が開発されています。日本でも、SNSなどを通じて関心が高まり、「逆輸入」の形で2014年頃から販売が拡大しました。現在では、日本国内で製造される紅茶キノコ飲料にも「コンブチャ」の名称が使われています。

名称について

紅茶キノコは、英語では「Kombucha」と呼ばれます。日本語の「昆布茶」と発音が似ていますが、両者は全く異なるものです。英語圏では、紅茶キノコを構成するゼラチン状の培地を海藻と誤解し、「昆布茶」と混同したという説があります。

性質

日本では1975年頃にブームとなりましたが、漢方薬のような効果を期待して飲んだ人々の間で、様々な体調不良が生じたとされ、安全性や有効性について疑念が持たれました。しかし、1977年に東京都立衛生研究所の研究者らが、愛飲家から分けてもらった紅茶キノコを調査した結果、紅茶キノコを構成する微生物に病原性は認められませんでした。

紅茶キノコは、共生細菌を多く含んだ発酵飲料として位置付けられます。しかし、適切な環境で培養しない場合、糖度や酸性度が過度に高くなることがあります。そのため、飲んだ人が死亡する危険性もあると、一部の専門家は注意を呼びかけています。

紅茶キノコの「きのこ」とは

紅茶キノコと呼ばれるものの実態は、産膜性酢酸菌が生成したセルロースゲルであり、真菌の子実体（いわゆるキノコ）ではありません。主な菌種としては、酵母の Zygosaccharomyces sp. と酢酸菌の Acetobacter xylinum が確認されています。製品評価技術基盤機構は、紅茶キノコから分離した細菌 Komagataeibacter hansenii のセルロース膜産生能力を調査し、他の Gluconacetobacter 属細菌と比較しました。

注意点

紅茶キノコは、適切な環境で培養する必要があります。不衛生な環境で培養すると、有害な微生物が繁殖する可能性があります。また、糖分を多く含むため、糖尿病患者は摂取に注意が必要です。自分で培養する場合は、衛生面に十分注意し、適切な知識を持って行うようにしてください。

関連事項

• - ナタ・デ・ココ: 同様に産膜性酢酸菌が生成したセルロースゲルをデザートとする食品です。

もう一度検索