緑林軍

緑林軍：新代の反乱と群雄割拠

緑林軍は、中国の新代末期に荊州を中心に活動した大規模な民間武装勢力です。王莽が建てた新王朝の圧政に対し、民衆の不満が爆発し、各地で反乱が起こりました。その中でも、緑林軍は特に大きな勢力となり、後の漢朝再興に大きな影響を与えました。

緑林軍の創始と分裂

緑林軍の始まりは、新代末期の荊州江夏郡南新市県。王匡と王鳳という二人の人物が、困窮した民衆を率いて立ち上がったのが始まりです。彼らは緑林山を拠点とし、馬武、王常、成丹などの浪人たちも合流し、その勢力を拡大していきました。

地皇2年（21年）、荊州牧が2万の兵を率いて緑林軍を討伐しますが、王匡はこれを打ち破り、その勢いは5万を超えるほどに膨れ上がります。しかし、翌年には疫病が発生し、緑林軍は大きな打撃を受け、分裂を余儀なくされます。王常らは下江軍、王匡らは新市軍として、それぞれ अलग अलग की रणनीति

新たな連合と更始政権の成立

緑林軍の分裂後、各地の反乱勢力との合流が進みます。平林軍や舂陵軍といった勢力が新市軍に合流し、連合軍を結成。劉縯・劉秀兄弟（後の光武帝）も舂陵軍を率いてこの連合に加わります。

連合軍は宛を目指して進軍しますが、新軍に敗北。しかし、下江軍の再合流により勢力を立て直し、沘水の戦いで新軍を破ります。勢いを増した連合軍は、劉縯と劉玄のどちらを皇帝に擁立するかで対立しますが、最終的には劉玄が擁立され、更始帝として即位します。

こうして成立した更始政権では、緑林軍の幹部たちが要職に就きます。しかし、劉縯・劉秀兄弟が軍功を重ねて声望を高めると、旧緑林軍の幹部たちは彼らを警戒し、劉縯を暗殺するという事件を引き起こします。

更始政権の滅亡

更始元年（23年）、更始帝の軍は長安を攻略し、王莽を討ち滅ぼして新王朝を滅ぼします。しかし、その後の政権運営は混乱を極めました。更始帝は側近の意見ばかりを聞き入れ、有力な部将たちを冷遇したため、政権内部の対立が深刻化します。

更始3年（25年）には、劉秀の軍や赤眉軍に大敗。ついには、更始帝と王匡ら有力部将との間で内戦が勃発します。内戦の結果、王匡らは赤眉軍に降伏し、赤眉軍を長安に導き入れます。そして、更始帝は捕らえられ、処刑されます。こうして、緑林軍の手で樹立された更始政権は、緑林軍自身の手によって滅亡することとなったのです。

緑林軍の幹部たちの末路

緑林軍・平林軍出身の幹部たちの末路は様々です。光武帝に降伏して厚遇された者もいれば、処刑された者、戦死した者もいます。

王常、馬武、朱鮪などは光武帝に降伏し、後漢王朝で活躍しました。一方、王匡は光武帝に降伏後に逃亡し処刑、成丹と陳牧は更始帝に誅殺されました。廖湛は赤眉軍に参加しますが、戦死しています。

緑林軍の興亡は、新代末期の混乱と、その後の後漢王朝成立へと繋がる激動の時代を象徴する出来事と言えるでしょう。

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