羽地村

羽地村の歴史と地域の概要

羽地村（はねじそん）は、沖縄県名護市の北西部に位置し、かつて国頭郡に属していた村です。1910年代初頭に羽地間切から村として認可され、その後さまざまな歴史的変遷を経て、名護市へと合併されました。

沿革の概要

1908年に島嶼町村制の施行に伴い羽地村が成立しましたが、この地域はそれ以前から羽地間切と呼ばれており、屋我地島が1946年に分離し屋我地村になるまで、一つの地域として存在していました。1946年に屋我地村が成立した後、1970年には名護町、屋部村、久志村、屋我地村が合併し、名護市が誕生し羽地村は消滅しました。村役所は仲尾次に置かれ、今日でも羽地支所として機能しています。

農業と経済

羽地地域は古くから稲作を中心に盛んな農業が行われており、17世紀には『琉球国高究帳』に1985石の石高が記録されています。中でも、羽地田袋、真喜屋田袋、源河田袋といった稲作の中心地があったことが証明されています。1735年、羽地大川が台風で氾濫し、堤防の改修に尚敬王が介入しました。このように、村の農業がいかに根付いていたかを物語っています。その後、明治時代には本土や外国への出稼ぎが始まり、沖縄県では特に多くの出稼ぎ労働者が羽地から輩出されました。

戦後の復興と発展

沖縄戦ではこの地域は他の地域に比べて被害が少なかったものの、戦後は山奥へ避難する生活が続きました。1946年には、復興が進む中で屋我地島を分村し屋我地村が設立されました。米軍統治中でも羽地は発展を続け、重要な産業である農業は稲作中心からサトウキビやパイナップルにシフトしていきました。製糖工場やパイン工場が村内に建設され、農業の多様化が進みました。

行政の変遷

1960年代から、沖縄本島北部の発展を目指す合併運動が起こり、1970年に名護市の設立に至ります。これにより羽地村は名護市の一部となり、その後も旧村域での行政が続けられています。旧羽地村の地域は、名護市羽地支所として残り、住民の生活基盤を支えています。

地域の特性と交通網

羽地地域は、農村的な雰囲気を保ちながらも市街に近く、国道58号を中心に進む道路網が非常に整備されています。1980年代に入ってからは名護バイパスや伊差川バイパス、さらには名護東道路の開通など、交通の便が大幅に向上しました。この道路網は、観光客の訪問や地元住民の生活を支える重要な役割を果たしています。

主要施設と学校

羽地地域内には、名護市立羽地中学校や羽地小学校などの教育機関が存在し、地域の子供たちの学びの場となっています。また、羽地ダムや運天港などの主要施設もあり、地域の資源活用や暮らしに役立っています。特に羽地ダムは、沖縄の水供給において重要な役割を担っており、さらに地域開発が進められています。

未来への展望

合併後も羽地地域は発展し続けており、地域の特性を生かした開発が期待されています。農業は依然として基幹産業であり、地元特産品のさらなる発展が見込まれています。また、バイパスの開通により観光客も増え、地域経済に好影響を与えています。今後の発展に向けて、地域の歴史や文化を大切にしながら、新たな可能性を追求していくことが求められています。

もう一度検索