羽根倉橋

羽根倉橋の詳細解説

羽根倉橋は、埼玉県さいたま市桜区下大久保と志木市宗岡の間に位置し、荒川とその支流である荒川第一調節池を跨ぐ形で架けられた道路橋です。この橋は、国道463号（浦和所沢バイパス）と埼玉県道215号宗岡さいたま線の一部を構成し、地域における重要な交通インフラとしての役割を担っています。

橋の構造と特徴

羽根倉橋は、河口から37.2kmの地点に位置し、その全長は859.63メートルに及びます。総幅員は22.8メートル、有効幅員は20.0メートルで、車道は片側2車線ずつ計4車線、両側に2.5メートルの歩道が設けられています。最大支間長は82.2メートルであり、連続箱桁[[橋]]の構造を採用しています。この橋は、1等橋（TL-20）に分類され、埼玉県の第一次特定緊急輸送道路にも指定されていることから、災害時においても重要な役割を果たすことが期待されています。

橋の両端は、右岸側が南畑横堤、左岸側が大久保第1横堤に接続されており、道路はこれらの横堤の天端を通っています。南畑横堤の一部は、富士見市南畑新田（旧入間郡南畑村）の区域に掛かっています。橋の管理はさいたま市が行っており、補助国道の橋としての役割も担っています。

交通と利用

羽根倉橋は4車線であるため、交通量が非常に多く、多くの路線バスも運行しています。特に、東日本旅客鉄道（JR東日本）の南与野駅や埼玉大学と、東武東上線の志木駅、ふじみ野駅、JR東日本の北朝霞駅を結ぶ国際興業バスの路線が頻繁に利用されています。橋の最寄りのバス停は、左岸側が「下大久保」停留所、右岸側が「宗岡蓮田」停留所です。

また、この橋の存在によって、さいたま市浦和区から所沢市まで続く日本一長いケヤキ並木が一時的に途切れています。天気の良い日には、さいたま市から所沢方面に向かうと、橋の正面に富士山の美しい姿を捉えることができます。

歴史

羽根倉橋の歴史は、江戸時代初期の1662年頃に遡ります。当時は羽根倉河岸と呼ばれる河岸場があり、渡船場（羽根倉の渡し）が併設され、物資の集散地として賑わっていました。羽根倉の渡しが現在の羽根倉橋の前身にあたります。この河岸場は1919年（大正8年）の河川改修により廃止され、渡船も1938年（昭和13年）の橋の架設によってその役割を終えました。

1938年（昭和13年）には、秋ヶ瀬橋の古材を再利用した仮橋が架設されました。その後、1954年（昭和29年）に木造冠水橋が完成しましたが、1973年（昭和48年）に現在の浦和所沢バイパス上り線の永久橋が開通し、2車線で暫定的に供用が開始されました。1985年（昭和60年）には下り線の永久橋が開通し、4車線化が完了しました。2018年（平成30年）からは上り線の床版取り換え工事が行われ、一時的に2車線での運用となっていましたが、2020年（令和2年）5月に工事が完了しました。

周辺環境

羽根倉橋の周辺には、荒川の河川敷が広がっており、様々なレクリエーション施設や農地が整備されています。かつては河川区域内にも塚本集落が存在していましたが、2002年頃までに移転しました。近隣には、荒川第一調節池、レッズランド、秋ヶ瀬公園、サーキット秋ヶ瀬、KM自動車教習所など、多くの施設が点在しています。また、羽根倉古戦場跡も橋のすぐ上流側に位置しています。

サイクリングロード

羽根倉橋は、埼玉県が推進する「ぐるっと埼玉サイクルネットワーク構想」に基づき、「自転車みどころスポットを巡るルート」の「自転車道体験ルート」に指定されており、サイクリストにも人気のスポットです。埼玉県道155号さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道線（荒川サイクリングロード）の一部として、多くの人々が利用しています。

隣接する橋

荒川における羽根倉橋の隣には、上流側に治水橋、下流側に秋ヶ瀬橋が位置しています。

まとめ

羽根倉橋は、交通の要所としての機能だけでなく、歴史的な背景や周辺の自然環境も豊かな魅力的な橋です。地域住民の生活を支え、多くの人々にとって重要な存在となっています。

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