臨時給

臨時給について

臨時給（りんじきゅう）とは、定められた規則以外で臨時に官職を給与することを指します。

概要

臨時給の制度は、平安時代中期頃から見られるようになりました。『寛平御遺誡』には、中納言以上の役職に対して内舎人が給与されたという記録があり、この頃に制度として整備されたと考えられています。

当初、臨時給は親王や女御といった皇族の生計を支援する目的で、判官以下の官職に対して支給されていました。しかし、時代が下るにつれて、院や三宮、大臣など、支給対象が拡大されていきました。また、支給される役職も権守や介などに広がっていきました（ただし、大臣への支給は掾・大舎人に制限されていました）。

この背景には、正規の年官であった目や史生などへの応募者が減少し、そこから得られる任料収入が不足したという事情がありました。一方で、京官の判官や武官などには、武士や下級官人からの志望者が多く存在しました。

初期の頃は、院宮王臣家に対する優遇策としての意味合いが強かった臨時給ですが、本来の年給の対象であった目や史生の応募減少に伴い、その代替としての性格を強めていきました。そして、成功が盛んになるにつれて、臨時給と成功の区別が曖昧になっていきました。

参考文献

時野谷滋「臨時給」（『国史大辞典 14』吉川弘文館、1993年）ISBN 978-4-642-00514-2
時野谷滋「臨時給」（『平安時代史事典』角川書店、1994年） ISBN 978-4-040-31700-7

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