與杼神社

與杼神社の概要

與杼神社（よどじんじゃ）は、京都市伏見区淀本町に位置する歴史的な神社です。式内社として認知されており、旧社格は郷社です。この神社は淀城の本丸跡に建立され、地域の信仰の中心となっています。

歴史

與杼神社は、応和年間（961年 - 964年）に千観内供が、佐賀県の與止日女神社から淀大明神を勧請して設立したとされています。しかし、日本三代実録には貞観元年（859年）の記録があり、また、延喜式神名帳によれば以前から存在していたことが示唆されています。このことから、神社は応和年間よりも前から地域に根付き、桂川の水上運輸の守護神としての役割を担っていたことがわかります。淀姫社や水垂（みずたれ）社とも呼ばれていたことからも、その重要性が伺えます。

慶長12年（1607年）には、豊臣秀頼の指導のもと片桐且元により本殿と拝殿が再建されました。ただし本殿は慶安2年（1649年）ごろに再び建て替えられています。明治時代に入ると、與杼神社は郷社として列され、1902年には河川敷の拡幅工事に伴い、現在の淀城本丸跡に移転しました。移転前の社地は御旅所として利用されています。

1975年に重要文化財であった本殿が火災によって焼失してしまいましたが、1980年に再建され現在に至ります。また、神社の南には稲葉氏の藩祖である稲葉正成を祀るために建立された稲葉神社があります。

祭神

與杼神社には以下の祭神が祀られています：

• - 豊玉姫命（トヨタマヒメノミコト）: 又の名を與止日女（よどひめのみこと）と称し、神功皇后の妹とされています。
• - 高皇産霊神（タカミムスビノカミ）
• - 速秋津姫命（ハヤアキツヒメノミコト）

構成

境内には重要文化財に指定されている拝殿が存在し、これは慶長12年に再建されたものです。本殿は1980年に再建されており、また、日大臣社は伊勢神宮からの由貴御倉を受けて1975年から1979年にかけて仮本殿として利用されました。近年は神輿社が2007年に再建されるなど、歴史と伝統を大切にしながらも新たな一面を持つ神社です。

文化財

與杼神社内にある重要文化財は以下のとおりです：

• - 拝殿: 重要文化財に指定されています。
• - 多宝塔: 元禄年間に建立されたが、明治の神仏分離により破却されました。
• - 本殿: 1971年に重要文化財に指定され、一度は焼失もされました。

アクセス

與杼神社の所在地は京都府京都市伏見区淀本町167です。最寄駅は京阪本線の淀駅で、駅からの徒歩約3分で到着します。

このように、與杼神社は地域の歴史や文化を反映し、多くの信仰に支えられている重要な神社です。訪れることで、古き良き日本の伝統や神々の存在を感じることができるでしょう。

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