薩摩型戦艦

薩摩型戦艦の概要

薩摩型戦艦は大日本帝国海軍が誇る準弩級[[戦艦]]であり、日本初の国産戦艦です。この艦型は日露戦争に備え、イギリスのキング・エドワード7世級戦艦を基にして設計されました。実際の建造は国内の造船所で行われ、横須賀造船所において「薩摩」が1905年に起工されましたが、日露戦争の開始には間に合いませんでした。結局、1910年代になってから竣工したのです。

この2隻は、搭載された機関の構成に異なる点があり、その中でも「安芸」は、日本の戦艦として初めてカーチス式蒸気タービンを搭載しました。そのため、出力は「薩摩」の17,300馬力から25,000馬力へと向上し、速力も装甲巡洋艦に匹敵する20ノットを発揮することができました。艦の煙突の本数は「薩摩」が2本で、「安芸」には3本が設けられています。

就役当時、イギリスでは新型のドレッドノートが進水しており、この薩摩型戦艦はすでに旧式化していました。とはいえ、長い間主力艦としての役割を果たしてきましたが、1923年に策定されたワシントン海軍軍縮条約により、両艦は廃艦となり解体の運命を辿ることになります。その後、「安芸」の主砲塔は三浦半島の三崎砲台に配備され、副砲塔は東京湾要塞城ケ島砲台に利用されるなど、別の形での活用が図られました。

艦形

この艦型の船体は、高い乾舷を持つ平甲板型であり、凌波性に優れています。主砲はアームストロング社製の「アームストロング 1904年型 30.5cm（45口径）砲」を採用しており、艦首甲板には楔形の連装砲塔が設置されています。さらに、司令塔を組み込んだ艦橋や前部マストも設置されています。煙突の両側には通風筒が配置され、艦載艇置き場も設けられています。

副砲としては25.4cm砲を連装式で配置し、計6基が舷側甲板上に備えられています。外観の違いとしては、「薩摩」が2本の煙突を持ち、舷側には12基の12cm速射砲を備えているのに対し、「安芸」は3本の煙突と、片舷4基ずつ8基の15.2cm速射砲を有していることが挙げられます。

武装

主砲

主砲にはアームストロング社製の新設計の砲を採用し、重量386kgの砲弾を最大射程21,120mまで届けることが可能です。砲塔の上下動は仰角20度、俯角5度で行うことができ、弾薬発射も毎分1発の速度で行えます。

副砲

副砲にはヴィッカース社の「1905年型 25.4cm（45口径）砲」が採用されていて、大口径であることがこの戦艦の特徴です。この副砲は、235kgの砲弾を最大24,600mまで射撃可能です。6基の連装砲塔で装備されています。

その他の武装

安芸は、攻撃力を重視して「Mk XII 1913年型 15.2cm（45口径）速射砲」を8基装備し、気軽に連発可能です。一方の薩摩は、対駆逐艦用に12基の12cm速射砲を装備しており、状況に応じた対処が可能でした。また、両艦は魚雷発射管を単装2基ずつ搭載し、接近戦にも備えていました。

機関

機関のレイアウトには違いがあり、「薩摩」は2本煙突で、安芸は3本煙突とされています。薩摩は最大出力17,300馬力で18.3ノット、安芸は24,000馬力を発揮することで20ノットの速力を実現しました。

同型艦

この艦型には同型艦が存在しますが、それぞれの造船所の特色により、詳細仕様には違いがあります。例えば、薩摩は横須賀で建造され1905年に起工、1910年に竣工しました。一方の安芸は呉で建造され、1906年に起工、1911年に運用開始されています。

最終的には、どちらの艦も1923年に除籍され、1924年には標的艦として処分されました。これにより、薩摩型戦艦の歴史は幕を閉じました。

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