西女満別駅

西女満別駅：歴史と現状

西女満別駅は、北海道網走郡大空町女満別本郷に位置する、JR北海道石北本線沿線にある無人駅です。1947年2月、旭野仮乗降場として開業しました。当初は現在の場所から約80メートル北側の湿地帯に建設予定でしたが、地盤改良の困難さから現在の場所に変更されました。駅舎は地元住民の無償奉仕によって建設され、1949年頃に完成しました。

開業までの道のり

西女満別駅の誕生は、1946年に地元住民22名から国鉄北見管理部への駅設置請願書提出に遡ります。女満別駅までの距離が不便であった地域住民の強い要望が背景にあります。請願書には、新たな駅の名称として「よしの駅」が提案されており、これは当時の地名に由来しています。

請願を受けて設置された旭野仮乗降場は、旅客のみの取扱いでスタートしました。その後、1950年1月、正式に西女満別駅に昇格し、荷物の取扱いも開始。翌年には貨物ホームも新設されましたが、地盤沈下のため数年で利用停止となりました。それでも、農産物の輸送は継続され、駅は地域経済を支える重要な拠点として機能していました。

駅員3名が勤務し、1日あたり約50人の利用者がありました。特に冬季の通学に苦労していた高校生にとって、西女満別駅の開業は大きな福音となりました。

変遷と無人化

高度経済成長期以降、自動車の普及により駅の利用客は減少。1983年には荷物取扱いが廃止され、無人駅となりました。それでも、西女満別駅は地域住民にとって身近な存在であり続けました。

1987年の国鉄分割民営化後はJR北海道が運営を引き継ぎ、現在に至ります。2005年には、女満別空港との間でデュアル・モード・ビークルの実証実験も行われました。

駅の構造と周辺環境

西女満別駅は単式1面1線の地上駅で、網走駅の管理下にあります。無人駅であるため、駅舎は簡素な造りとなっています。

駅周辺は、畑や原野が広がり、民家が点在する静かな地域です。かつては駅前に小さな商店街が存在していましたが、現在は姿を消しています。最寄りの女満別空港とは直線距離で約800メートル、実際の道路距離で約2キロメートルの距離に位置しますが、空港の移転は駅との接続を考慮したものではありませんでした。そのため、空港と駅を結ぶ公共交通機関は存在しません。

アクセス

西女満別駅へのアクセスは、主に自家用車となります。国道39号、美幌バイパス女満別空港IC、北海道道64号女満別空港線、北海道道246号小清水女満別線が駅周辺を通っています。

まとめ

西女満別駅は、地元住民の熱意によって誕生し、地域社会を支えてきた歴史を持つ駅です。現在は無人駅として、静かにその役割を続けています。かつての賑わいを知る人々にとって、西女満別駅は、郷愁を誘う場所なのかもしれません。 駅の簡素な構造や周辺の静かな環境は、北海道のローカル線の現状を象徴していると言えるでしょう。 しかし、その歴史と周辺環境からは、人々の生活と密着した鉄道の役割が感じられます。

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