西敦賀駅

西敦賀駅：小浜線の静かな駅舎

西敦賀駅は、福井県敦賀市山泉に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）小浜線沿線の駅です。のどかな住宅街にひっそりと佇む、小規模な地上駅であり、多くの利用客で賑わうような駅とは対照的に、静かで落ち着いた雰囲気を持っています。

歴史：昭和37年の開業から現代へ

西敦賀駅は、1962年（昭和37年）9月1日に、日本国有鉄道（国鉄）小浜線の敦賀駅～粟野駅間に新設されました。当初から旅客営業のみの駅として開設され、地域住民の足として役割を果たしてきました。その後、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅となりました。長い歴史の中で、時代の移り変わりを見守り続けていると言えるでしょう。

駅構造：簡素ながらも機能的な設計

駅舎は存在せず、敦賀寄りの出入口から直接ホームへアクセスするシンプルな構造です。単式ホーム1面1線のみのコンパクトな造りで、無人駅として運営されています。ホーム上には待合室が設置され、利用客に僅かながら休息の場を提供しています。自動券売機などの設備は設置されていませんが、必要最低限の機能は備えています。ホームのすぐ下には、約20台収容可能な屋根付き駐輪場があり、自転車を利用する乗客にとって利便性が高いです。また、駅横には踏切があり、道路とのアクセスも確保されています。

利用状況：地域に根付く存在

2021年度の1日平均乗車人員は約116人と記録されています。これは、決して多い数値とは言えませんが、周辺地域住民の生活に密着した駅であることを示唆しています。近年は、利用者数の変動も比較的少ないことから、安定した利用基盤を築いていると考えられます。

駅周辺：高台に位置する静かな環境

西敦賀駅は高台の上に位置し、駅西側には住宅地が広がっています。住宅地を抜けていくと、「ふるさと夢街道」と呼ばれる広域農道に到達します。この農道は、周辺地域を結ぶ重要な交通路であり、豊かな自然環境と調和した景観が広がっています。駅の北側には工業高校があり、その付近では広域農道と福井県道210号線が交差しています。さらに北へ進むと国道8号（国道161号重複区間）に繋がり、西へ進むと福井県道225号線に繋がりますが、いずれも駅からやや離れた位置を通っています。駅東側には衣掛山があり、北陸本線のループ線が山の中を貫通しています。慶林院という寺院も山際に隣接しており、歴史と自然が共存するエリアと言えるでしょう。

隣の駅

小浜線
敦賀駅 - 西敦賀駅 - 粟野駅

参考文献

石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』（初版）JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR48 小浜線 舞鶴線・七尾線 氷見線・城端線 越美北線』朝日新聞出版、2010年6月27日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日。ISBN 978-4-06-270065-8
『週刊JR全駅・全車両基地06 山陰本線①（京都～福部） 小浜線 舞鶴線』朝日新聞出版、2012年9月16日

西敦賀駅は、規模は小さいながらも、地域住民にとって重要な役割を担っている駅です。静かで落ち着いた雰囲気の中にも、歴史と人々の生活が感じられる、そんな魅力的な駅です。

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