超短波

超短波（ちょうたんぱ）についての解説

超短波とは、30MHzから300MHzの周波数範囲の電波を指し、非常に高い周波数帯としてVHF（Very High Frequency）とも称されます。この周波数における波長は約1メートルから10メートルであり、メートル波とも呼ばれています。

超短波の位置付けと伝播特性

「超」が付くのは、20世紀の初めまでの認識においては短波が最も短い波長の電波と考えられていたためです。その後の発見によって、さらに短い波長の高周波である極超[[短波]]（UHF）や超高周波が新たに命名されました。

超短波の特性としては、電離層での反射が一般的ではなく、地表波は減衰が顕著であるため、主に空間波による見通し範囲内での通信が行われます。また、異常な伝播が生じることもあり、それが通信の妨害要因となることがあります。

超短波の用途

この周波数帯は、さまざまな通信手段で使用されています。業務用移動通信や航空無線、計器着陸装置（ILS）、超短波全方向式無線標識（VOR）、国際VHF、FM放送、さらにはアマチュア無線といった多岐にわたる分野で活用されています。特に日本においては、90MHzから108MHz（テレビ放送チャンネル1ch - 3ch）や170MHzから222MHz（チャンネル4ch - 12ch）で、かつてはアナログテレビジョン放送が行われていましたが、2012年3月31日にその全てが終了しました。しかし、同年4月から2016年6月30日まで提供されていたマルチメディア放送「NOTTV」では、11chの周波数が使用されていました。さらに、中波放送に関しても、FM放送での送信が混信回避や難聴取解消に寄与しています。

ローVHFについて

一般的にローVHFとは、FM放送の下限である76MHzよりも低い周波数帯を指します。この帯域は主に軍事用の移動通信に用いられており、日本国内では自衛隊の無線通信や市町村の防災無線などに採用されています。しかし、ローVHFはノイズに強く、異常伝播による混信が発生しやすいため、通信の安定性には課題があります。また、アンテナの長さが1メートルから2.5メートルと比較的長いため、車載用途や携帯用途には不便です。

アマチュア無線と超短波

アマチュア無線は、国際電気通信連合によって無線通信規則が定められており、各国の主管庁により割り当てられた周波数帯域が存在します。これには、他の業務とも共用される周波数範囲が含まれますが、各国の割り当ては異なるため、アマチュア無線の全ての周波数が共通で使われているというわけではありません。

短波との区別

超短波は短波（3MHzから30MHz）に含まれる高頻度の電波で、その中でも25MHz付近以上は特に超短波として利用されることが多いです。短波は電離層を利用した遠距離通信に使われることがある一方、27MHz帯の市民ラジオや船舶無線などは地上波を基にした通信メインの割当てが多いです。

超短波と超音波の違い

超短波と超音波は名称が似ていますが、異なる物理現象です。超音波は音波であり、真空中では伝播せず、伝播速度も遅い特徴があります。

超短波は幅広い通信手段として重要な位置を占めており、これからもその活用範囲は広がっていくと考えられています。

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