通知表

通知表とは

通知表は、学校が児童・生徒の学業成績や生活の記録をまとめ、保護者へ通知する書類です。名称は学校によって異なり、『のびゆく子』や『あゆみ』といった独自のタイトルが付けられることもあります。通知表は学校の任意で作成されるため、発行しない学校も存在します。

日本における通知表の記載内容

通知表には、主に以下の内容が記載されます。

幼児・児童・生徒の氏名
校長や担任の氏名
各教科の観点別学習状況および評定
特別活動の記録
総合的な学習の時間の記録
出欠の記録
性格等の観察
健康状態
学級担任の所見
児童の体位

評定は、一般的に5段階評価が用いられます。また、校長、担任、保護者の押印欄や、家庭からの連絡欄が設けられていることもあります。

通知表の歴史

日本の通知表は、明治初期の学制導入とともに始まりました。当初は試験結果を厳格に記録するものでしたが、時代とともに評価方法や記載内容が変化してきました。

明治時代: 試験の点数を詳細に記載
昭和初期: 甲乙丙評価から10点法へ移行
第二次世界大戦後: アメリカ式の教育制度導入、相対評価が主流に
平成時代: 絶対評価への移行

相対評価から絶対評価へ

平成14年度からは、学習指導要領の改訂により、相対評価から絶対評価へと評価方法が変更されました。これにより、評価のインフレや、評価と生徒の学力との不一致といった問題も生じています。

欧米における通知表

アメリカ

アメリカでは、州や教育区によって評価方法が異なりますが、アルファベット5文字評定や、学期末に通知する文章を付けたもの、保護者面談用など、様々な形式の通知表が存在します。

デンマーク

デンマークでは、義務教育段階の7年生まで通知表による通知はありません。8年生以降は13段階の絶対評価による通知表があります。また、日常の学力向上には、週単位の学習記録帳「logbog」が活用されています。

オランダ

オランダでは、通知表は進級の可否判定の記録としての性格を持ち、相対評価は行われません。

通知表を巡る課題と今後

絶対評価への移行後、評価の甘さや学校間の格差が問題視されています。一部の自治体では独自の評価補正を行う動きもあり、文部科学省でも見直しが検討されています。また、教員の事務効率化のため、成績評価の電子化が進められていますが、ミスも発生しています。

通知表は、児童・生徒の成長を促すための重要なツールですが、より客観的で信頼性の高い評価方法の確立が求められています。

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