都をどり

都をどりの魅力と歴史

都をどり（みやこをどり）は、毎年4月の1日から30日まで京都市の祇園甲部歌舞練場にて開催される舞踊公演です。祇園甲部の芸妓や舞妓たちが華やかな衣装を纏い、伝統的な舞踊を披露します。この行事は1872年に始まり、2024年には150回目の開催を迎えることが決定しています。

歴史的な背景

初めての都をどりは、京都博覧会の余興として企画され、1872年4月20日に行われました。当時の京都府知事、槇村正直の提案により「都踊」、「鴨川踊」、「東山名所踊」が競演し、特に「都踊」が大いに好評を博しました。これを機に、都をどりはほぼ毎年行われるようになりました。舞台は両側に花道を設けた革新性を持ち、観客へのインパクトを考慮した構成になっています。

プログラムと演出の変遷

初期の都をどりのスタイルから、明治末期に八景で構成される現在の形式が確立されました。内容は京都や日本の名所、四季、歌舞伎作品、さらには『源氏物語』など多岐にわたり、その年の話題や干支にちなんだ演目が上演されています。

• - 年表：

- 1872年：初演。
- 1915年：大正天皇即位記念公演。
- 1944-1949年：太平洋戦争により6年間休演。
- 1950年：南座での再開。
- 2019年：67年ぶりに南座での上演。
- 2021年：新型コロナウイルスの影響で小公演に変更。

ステージの構成と内容

都をどりは原則的に総踊りの形式を採用しており、長唄と共に舞踊します。開幕は井上流の故事にちなんだ銀襖のある舞台から始まり、観客を引き込みます。大正天皇即位記念公演からは「別踊」という挿し間が設けられ、物語の内容が踊りと共に説明されています。毎年新しい振り付けや演出が考慮され、製作に多くの工夫が凝らされています。

お茶席の存在

公演前には、祇園甲部歌舞練場の2階でお茶席が設けられています。点茶を担当する芸妓たちは、京風の正装をまとう一方、控えの舞妓も参加します。この茶席では「立礼式」と呼ばれる形式が採用されており、外国からの訪問者にも楽しんでもらえるスタイルです。

映画界との関係

都をどりは日本映画とも深い関係があります。活動写真時代には多くの著名な映画監督や演出家が、都をどりの舞台背景に関わっていました。これにより、舞台の魅力が映像でも表現され、広く知られるようになりました。

最後に

都をどりは、京都の伝統文化を体験するための重要なイベントであり、その魅力は見る人々に感動を与え続けています。華やかな舞踊や京文化に触れる瞬間は、参加者にとって忘れられない思い出となることでしょう。150年の歴史を誇るこの公演は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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