野毛山公園

野毛山公園

神奈川県横浜市西区に位置する野毛山公園は、約9.1ヘクタールの広大な敷地を持つ都市公園（総合公園）です。園内には野毛山動物園があり、約380本の桜が植えられた桜の名所としても有名です。また、園内からはみなとみらい地区を一望できるなど、横浜の美しい景観を楽しむことができます。

歴史

野毛山は、古くから野毛浦（現在の野毛町）に面した標高50mの丘陵一帯を指す名称でした。

1859年: 横浜が開港すると、開港場より東には外国人が居住し、西の野毛山は日本人の豪商たちの住宅地となりました。原善三郎や茂木惣兵衛らの邸宅が建てられました。
1887年: ヘンリー・スペンサー・パーマーによって野毛山に横浜水道の配水池が設置され、日本初の近代水道が始まりました。
1923年: 関東大震災で野毛山も被災しました。
1926年: 野毛山は避難場所も兼ねた公園として一般公開されました。開園当初は、回遊式日本庭園、西洋庭園、折衷庭園の三つの様式を持っていました。
第二次世界大戦中: 陸軍に使用され、戦後1947年までは米軍に接収されました。
1949年: 日本貿易博覧会が開催され、野毛山が第一会場となりました。
1951年: 日本庭園部分に動物園が、配水池に連なる洋式庭園部分に児童遊園が造られ、「野毛山遊園地」として開園しました。
1964年: 配水池の老朽化に伴い、配水池を地下に新設し、児童遊園も含めた配水池地区を公園としました。これにより、動物園地区は野毛山動物園となり、現在の形となりました。
1971年: 横浜市初のスロープ式歩道橋「野毛のつり橋」が完成しました。
1987年: 横浜水道創業100年を記念して、パーマーのブロンズ胸像が除幕されました。
2002年: 動物園地区で1999年から改修工事が行われ、野毛山動物園が11月にリニューアルオープンしました。
2009年: 配水池地区のバリアフリー化、改修工事が着工されました。
2011年: 二代目野毛山公園展望台が8月1日にオープンしました。

施設

野毛山公園には、以下のような施設があります。

動物園地区

横浜市立野毛山動物園：様々な動物を観察できる人気のスポットです。
横浜市電展示保存：かつて横浜市内を走っていた市電が展示されています。
野毛のつり橋：スロープ式の歩道橋で、公園内を移動する際に利用できます。
案内板（柳宗理作）：著名なデザイナー、柳宗理氏が手掛けた案内板です。

展望地区

旧野毛山配水池：かつて横浜の近代水道を支えた配水池の跡です。
ヘンリー・スペンサー・パーマー胸像：横浜水道の基礎を築いたパーマーの功績を讃える胸像です。
競技会場地記念碑：かつてこの地が競技会場として利用されていたことを示す記念碑です。
展望台（二代目）：みなとみらい地区を一望できる展望台です。
2階（こもれびテラス）：高さ3.6〜5.1m、面積30m2
3階（展望テラス）：高さ6.3m、面積102m2（3階標高：約57m）
付帯設備：エレベーター、多目的トイレ、男子トイレ、女子トイレ
3on3バスケットボールコート：バスケットボールを楽しむことができます。
遊具広場：子供たちが遊べる遊具が設置されています。

散策地区

佐久間象山碑：幕末の思想家、佐久間象山を記念した碑です。
中村汀女句碑：俳人、中村汀女の句碑です。
ラジオ塔：ラジオの聴取契約者が100万人を超えた記念として、日本放送協会が1932年に全国の公園に建てたラジオ塔の一つです。
子供の遊び場：子供たちが安全に遊べるスペースです。

所在地・交通

所在地: 神奈川県横浜市西区老松町63-10
交通:
京急本線日ノ出町駅より徒歩約10分
JR根岸線桜木町駅より徒歩約15分

周辺

野毛町
野毛山住宅
アール・エフ・ラジオ日本野毛山無線基地
横浜市中央図書館
横浜道
野毛山公園プール（解体済み）：かつて存在したプールで、第4回国民体育大会の水泳会場でした。

脚注

関連項目：
神奈川県の公園一覧
横浜市の歴史
上水道
三渓園（野毛山にあった原善三郎の邸宅が移築されている）
Miss YOKOHAMADULT（原由子のソロアルバム。『新・野毛山模様』を収録）
外部リンク
野毛山公園（野毛山動物園公式サイト/公益財団法人 横浜市緑の協会）
野毛山動物園（野毛山公園）（横浜市：市内公共施設等バリアフリー情報）
『一房の葡萄』有島武郎（野毛山が舞台）
* のげやまくん（野毛山に住んでいるという謎のキャラクター）

野毛山公園は、歴史と自然が調和した魅力的な公園です。動物園や展望台だけでなく、散策路や歴史的な建造物など、様々な楽しみ方ができます。横浜を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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