関羽

関 羽（カンウ）

関羽は後漢末期の著名な武将であり、その忠義心と卓越した武勇で多くの人々に称賛されました。彼の字は雲長で、さらには壮繆侯（または壮穆侯）としても知られています。山西省運城市塩湖区解州鎮常平村出身であり、子供たちには関平・関興がいます。

生涯

劉備に仕えた初期

関羽は黄巾の乱の際に劉備と出会い、張飛と共に彼の護衛となりました。また、劉備の忠実な部下として数々の戦いを共にし、次第に彼の信任を得ていきました。劉備は関羽と張飛を兄弟のように扱い、彼らは常に劉備を主君として慕いました。

曹操との一時的な関わり

劉備が徐州を征服し、逃れる際に関羽が曹操に捕らえられるという出来事が発生します。しかし、彼は一時的に漢の権力者として曹操の元で活動し、官渡の戦いでは袁紹軍に対して大きな戦果を挙げました。これにより、関羽は曹操から高い評価を受け、漢寿亭侯に任命されましたが、劉備への帰属心は変わりませんでした。

荊州の守護

劉備が袁紹から荊州の劉表に身を寄せると、関羽もその行動に同行しました。荊州では関羽は守護の責任を担い、また、曹操との戦闘も頻繁に行われました。関羽はその武勇だけでなく、統治の能力も評価され、荊州の守備を任されます。彼の活躍によって、関羽は荊州領域で重要な存在となります。

孫権との対立

建安20年、荊州の領有を巡って孫権との衝突が発生します。関羽は両軍の争いの中心に立たされ、長沙などの地域において戦闘を繰り広げますが、最終的には和平を模索する道に進むことになります。

樊城の戦いと最後

建安24年、関羽は樊城を守る曹仁に攻撃を仕掛け、数々の戦果を報告しましたが、同時に背後にいた孫権と曹操の連携に苦しむことになります。ついには敵に囲まれ、捕虜となり斬首されるという悲劇的な結末を迎えます。

死後の評価

関羽の死後、彼は神格化され、関帝（関聖帝君）として信仰されるようになります。彼の武勇や忠義心は特に民間信仰において重要視され、清代には「関聖大帝」として礼を尽くされました。彼の神格化は道教や仏教、儒教など多くの宗教に影響を与えました。関羽は忠義の象徴として崇められ、その伝承は今日まで続いています。

日本でも関羽は武将として知られ、江戸時代から作品に取り上げられることが多かった。京劇などでは彼の役割は特に重要視され、その演じ方にも特別な礼儀が存在します。

また、関羽が描かれる作品は中国国内外に広がり、彼の忠義や武勇を讃える多くの物語が伝えられています。彼の教えや伝説は現代においても人々に影響を与え、忠誠心の象徴とされています。

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